コインチェック流出NEM、「Zaif」に大量流入 8億円分超 「CoinPayments」経由でモザイク消す

2018/3/5(月) 9:31配信

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仮想通貨取引所「Coincheck」から流出した仮想通貨「NEM」が、日本の別の仮想通貨取引所「Zaif」に大量に流入していることが分かった。3月4日までにZaifに流入した総額は、約2260万XEM(4日夜のレートで約8億円分)以上。盗難NEMの資金洗浄にZaifが利用されている可能性がある。ITmedia NEWSは、Zaifを運営するテックビューロに対して対応を問い合わせているが、5日午前9時までに回答はない。

Coincheckから流出したNEMの行き先アドレスを追跡・検索できるサイト「CoincheckMate Blockchain Explorer」(Cheenaさん(@CheenaBlog)が開発)を見ると、CoinPaymentsのアドレスからZaifなどの取引所にNEMが入金

▼【画像】流出したNEMがZaifに流入している様子は、ブロックチェーンで確認できる

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コインチェックが運営する「Coincheck」から5億2630万XEM(当時のレートで約580億円相当)が流出したのは1月26日。その後犯人は、匿名通貨「DASH」を経由して資金洗浄を企てたとみられるほか、盗んだNEMを販売するサイトをダークウェブ上に立ち上げたとみられ、このサイトではNEMの売買が活発に行われている(関連記事コインチェック盗難NEM、匿名コイン「DASH」で資金洗浄か ダークウェブで交換持ちかけも)。

NEMのブロックチェーンを分析して流出NEMをトラッキングしている匿名のエンジニアによると、ダークウェブの販売サイトでNEMを購入した複数の人(犯人、または犯人からNEMを購入した第三者)が、仮想通貨の決済プラットフォーム「CoinPayments」を経由し、Zaifなど複数の仮想通貨取引所に、NEMを入金しているという。

Zaifへの入金は2月22日から続いており、3月4日までに約2260万XEM(約8億円分)以上が流入しているという。「流入が続いているということは、Zaifに送金したXEMの他通貨への交換がうまくいっている可能性がある」とこのエンジニアは指摘。ダークウェブからZaifに送金しているアドレスは複数に分かれているが「2つのグループによるものだろう」とみている。

日本の取引所で入金が確認されたのはZaifだけ。Bittrex(米国)やPoloniex(同)など海外の取引所への入金もあるが、Zaifへの入金額は目立って多いという。

コインチェックから流出したNEMを扱ったアドレスには、NEM財団が付けた「モザイク」と呼ばれるマークが付与される。大手仮想通貨取引所の多くは、NEM財団からの要請を受け、コインチェックからの流出NEMを示すモザイク付きアドレスからのNEMの入金を拒否している。Zaifもこの対応を行っているとみられるが、なぜ、入金が続いているのか。

このエンジニアによると、ダークウェブ上で犯人から購入した流出NEMを、いったんCoinPaymentsに送金し、CoinPaymentsから取引所に入金させることで、モザイクがないアドレスからの送金に見せかけているという。

ダークウェブ上で犯人から購入されたNEMを受け入れていた海外取引所のうちいくつかは、NEMの入金を停止したという。「Zaifも、モザイク付きアドレスからの入金と同様に、CoinPaymentsから現在流入している入金を拒否し、他通貨への交換などの取引ができないようにするべきだ」と、このエンジニアは指摘している。

参照元 : ITmedia NEWS


「盗難NEM、Zaifに大量流入」にZaifがコメント 「情報を公開すると、捜査を阻害する」

2018年03月05日 17時32分 公開

仮想通貨取引所「Coincheck」から流出した仮想通貨「NEM」が、日本の別の取引所「Zaif」に大量に流入しているとの報道について、Zaifを運営するテックビューロから3月5日夕、ITmedia NEWSにコメントが届いた。

テックビューロは、「捜査に協力を求められた場合は、最大限協力する」とした上で、「報道内容には一部事実と異なるものもあり、弊社に回答を求めるよう主張されるものもあるが、弊社が情報を公開することは、むしろ犯罪の捜査及び仮想通貨業界の健全な発展を阻害することが懸念される」と、取材に対応しない理由を説明している。

Coincheckから流出したNEMがZaifに大量に流入していると、3月2日に「しんぶん赤旗」が伝えた。ITmedia NEWSも5日に報道。Zaifに累計約2260万XEM(4日夜のレートで約8億円分)以上流入しているとみられ、盗難NEMの資金洗浄にZaifが利用されている可能性があることを、匿名エンジニアへの取材に基づいて報じたほか、テックビューロが取材に回答しないことも伝えた。

テックビューロのコメント全文
弊社が運営する仮想通貨取引所「Zaif」(以下「当取引所」といいます。)へ、コインチェック社より流出したとされる仮想通貨XEM(NEM)が送金されていると、一部報道機関にて報道がされています。

弊社は、当取引所に関連して各国の捜査機関から対応を求められた場合は、犯罪の解明は勿論、我が国における仮想通貨業界の健全な発展のためにも、最大限捜査に協力するよう努めております。

ところで、本件に関する一部の報道機関による報道内容には事実と異なるものもあり、また、弊社に回答を求めるようご主張されるものもございますが、本件については現在も捜査が進行しているため、弊社が情報を公開することは、むしろ犯罪の捜査及び仮想通貨業界の健全な発展を阻害することが懸念されます。

以上をご賢察くださり、ご理解を頂けますよう宜しくお願い申し上げます。

参照元 : itmedia news

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