【ドル円週間見通し】米利上げ目前、1月以来の120円台も
2016.12.04 16:00
投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が12月5日〜12月9日のドル・円相場の見通しを解説する。
今週のドル・円は、やや底堅い動きを見せることになりそうだ。今月13-14日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で1年ぶりの利上げ決定が見込まれており、日米金利差の拡大を意識したドル買い・円売りが入りやすい見通し。
また、トランプ次期政権が計画している経済・財政政策への市場の期待は持続しており、インフレ投資拡大などの景気刺激策による米経済成長予測や金利先高観がドル・円相場を下支えすることになりそうだ。2017年以降、年2回と想定される利上げペースが速まるとの思惑が広がった場合、ドル・円は今年1月以来となる120円台への上昇が視野に入りそうだ。
一方、石油輸出国機構(OPEC)加盟国・非加盟国の減産合意を受けて、原油先物は大幅に上昇しているが、WTIが1バレル=50ドルを大幅に上回ると米国内でシェールガスの生産量が増加するとの見方があり、需給関係にゆるみが生じる可能性がある。そのため、原油価格が50ドルを上回り一段高となる可能性については懐疑的な見方もあるようだ。また、米利上げは米国株にとっては売り材料になるとの声が聞かれており、利上げを意識して米国株が伸び悩んだ場合、ドルの上値はやや重くなる可能性がある。
【米・11月ISM非製造業景況指数(総合)】(5日発表予定)
米11月ISM非製造業景況指数(総合)は、10月実績の54.8を上回る55.2が見込まれている。同月のISM製造業が堅調だったこともあり、景況指数改善への期待は高い。予想をやや下回っても10月実績と同水準であれば、リスク回避的なドル売りを促す要因にはならないとみられる。
【米・12月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値】(9日発表予定)
9日24時発表の12月は今年5月以来の高水準となる94.1と予想される。11月は93.8だった。12月利上げに向け、市場コンセンサスを大きく下回らなければドル買い材料になるとみられる。
・12月5日-9日に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。
○(米)10月貿易収支 6日(火)午後10時30分発表予定
・予想は-416億ドル
参考となる9月実績は-364億ドルで赤字幅は予想を下回った。輸出額は0.6%増の1892億ドル。輸入額は-1.3%、2256億ドル。資本設備や消費財の輸入が減少した。10月については輸入額が増加すると予想されており、輸出額に大きな変動はないことから、赤字幅は拡大する見込み。市場予想は妥当な水準か。
○(日)10月経常収支 8日(木)午前8時50分発表予定
・予想は、+1兆5681億円
参考となる9月実績は+1兆8210億円。黒字額は前年同月を上回った。貿易黒字の拡大が寄与した。第一次所得収支は+1兆5066億円で黒字額は前年同月を下回った。10月については、第一次所得収支における黒字額は1兆円の大台を維持すると予想されているが、経常黒字額は9月実績を下回る可能性がある。
○(日)7-9月期国内総生産改定値 8日(木)午前8時50分発表予定
・予想は前期比年率+2.3%
参考となる速報値は、前期比年率+2.2%で予想を大きく上回った。輸出の伸びや住宅投資が堅調。個人消費と設備投資は停滞。改定値では設備投資が上方修正される見込みだが、民間在庫の増加を考慮すると改定値の成長率は速報値とほぼ同水準になる可能性がある。
○(米)12月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値 9日(金)日本時間10日午前0時発表予定
・予想は、94.1
参考となる11月確定値は93.8で10月の87.2を大幅に上回った。大統領選の結果は多少好感されたようだ。期待指数は85.2で昨年6月以来の水準だった。12月については雇用の改善などを考慮して11月実績をやや上回る可能性がある。
○日米の主な経済指標の発表予定は、5日(月):(米)11月ISM非製造業景況指数、(米)11月労働市場情勢指数、7日(水):(米)10月JOLT求人
【予想レンジ】 ・米ドル/円:112円00銭−116円00銭
参照元 : NEWSポストセブン
米利上げの論拠、明らかに強まった=FRB理事
2016年 11月 30日 04:56 JST
[29日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル理事は29日、11月初旬の米連邦公開市場委員会(FOMC)以降、米国で利上げを実施する論拠は「明白に強まった」と述べた。
同理事は経済見通しについて行った講演で、FRBは金融政策に対しこれまで忍耐強い姿勢で臨んできたが、インフレ率の上昇が進むなか、行動が緩慢になり過ぎれば手が付けられない状態になる恐れがあると指摘。
「雇用創出のペースは堅調で、インフレ率も2%に向け徐々に上昇している」とし、「これまでに入手したデータから米経済は健全なペースで成長していることが示されている」と述べた。
そのうえで「11月初めの前回のFOMC以降、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標の引き上げに向けた論拠は明らかに強まっていると考えている」と述べた。
投資家やエコノミストらは90%程度の確率で12月に利上げがあると予想している。来年はトランプ新政権の行方次第だが、現時点で最低2回の利上げが見込まれている。
パウエル理事は、財政出動により社会基盤や産業基盤など公共インフラへの投資が増えれば、成長の足かせ要因とみられる民間セクターの低い生産性は押し上げられる可能性があるとする一方、成長自体は年前半以降、明らかに強まっているとも指摘。「経済は今後も過去数年間の流れを引き継ぎ、成長率は2%程度、雇用の伸びは力強く、労働市場は引き締まり、インフレは2%目標に向かって上昇すると予想される」と述べた。
参照元 : ロイター
2016.12.04 16:00
投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が12月5日〜12月9日のドル・円相場の見通しを解説する。
今週のドル・円は、やや底堅い動きを見せることになりそうだ。今月13-14日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で1年ぶりの利上げ決定が見込まれており、日米金利差の拡大を意識したドル買い・円売りが入りやすい見通し。
また、トランプ次期政権が計画している経済・財政政策への市場の期待は持続しており、インフレ投資拡大などの景気刺激策による米経済成長予測や金利先高観がドル・円相場を下支えすることになりそうだ。2017年以降、年2回と想定される利上げペースが速まるとの思惑が広がった場合、ドル・円は今年1月以来となる120円台への上昇が視野に入りそうだ。
一方、石油輸出国機構(OPEC)加盟国・非加盟国の減産合意を受けて、原油先物は大幅に上昇しているが、WTIが1バレル=50ドルを大幅に上回ると米国内でシェールガスの生産量が増加するとの見方があり、需給関係にゆるみが生じる可能性がある。そのため、原油価格が50ドルを上回り一段高となる可能性については懐疑的な見方もあるようだ。また、米利上げは米国株にとっては売り材料になるとの声が聞かれており、利上げを意識して米国株が伸び悩んだ場合、ドルの上値はやや重くなる可能性がある。
【米・11月ISM非製造業景況指数(総合)】(5日発表予定)
米11月ISM非製造業景況指数(総合)は、10月実績の54.8を上回る55.2が見込まれている。同月のISM製造業が堅調だったこともあり、景況指数改善への期待は高い。予想をやや下回っても10月実績と同水準であれば、リスク回避的なドル売りを促す要因にはならないとみられる。
【米・12月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値】(9日発表予定)
9日24時発表の12月は今年5月以来の高水準となる94.1と予想される。11月は93.8だった。12月利上げに向け、市場コンセンサスを大きく下回らなければドル買い材料になるとみられる。
・12月5日-9日に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。
○(米)10月貿易収支 6日(火)午後10時30分発表予定
・予想は-416億ドル
参考となる9月実績は-364億ドルで赤字幅は予想を下回った。輸出額は0.6%増の1892億ドル。輸入額は-1.3%、2256億ドル。資本設備や消費財の輸入が減少した。10月については輸入額が増加すると予想されており、輸出額に大きな変動はないことから、赤字幅は拡大する見込み。市場予想は妥当な水準か。
○(日)10月経常収支 8日(木)午前8時50分発表予定
・予想は、+1兆5681億円
参考となる9月実績は+1兆8210億円。黒字額は前年同月を上回った。貿易黒字の拡大が寄与した。第一次所得収支は+1兆5066億円で黒字額は前年同月を下回った。10月については、第一次所得収支における黒字額は1兆円の大台を維持すると予想されているが、経常黒字額は9月実績を下回る可能性がある。
○(日)7-9月期国内総生産改定値 8日(木)午前8時50分発表予定
・予想は前期比年率+2.3%
参考となる速報値は、前期比年率+2.2%で予想を大きく上回った。輸出の伸びや住宅投資が堅調。個人消費と設備投資は停滞。改定値では設備投資が上方修正される見込みだが、民間在庫の増加を考慮すると改定値の成長率は速報値とほぼ同水準になる可能性がある。
○(米)12月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値 9日(金)日本時間10日午前0時発表予定
・予想は、94.1
参考となる11月確定値は93.8で10月の87.2を大幅に上回った。大統領選の結果は多少好感されたようだ。期待指数は85.2で昨年6月以来の水準だった。12月については雇用の改善などを考慮して11月実績をやや上回る可能性がある。
○日米の主な経済指標の発表予定は、5日(月):(米)11月ISM非製造業景況指数、(米)11月労働市場情勢指数、7日(水):(米)10月JOLT求人
【予想レンジ】 ・米ドル/円:112円00銭−116円00銭
参照元 : NEWSポストセブン
米利上げの論拠、明らかに強まった=FRB理事
2016年 11月 30日 04:56 JST
[29日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル理事は29日、11月初旬の米連邦公開市場委員会(FOMC)以降、米国で利上げを実施する論拠は「明白に強まった」と述べた。
同理事は経済見通しについて行った講演で、FRBは金融政策に対しこれまで忍耐強い姿勢で臨んできたが、インフレ率の上昇が進むなか、行動が緩慢になり過ぎれば手が付けられない状態になる恐れがあると指摘。
「雇用創出のペースは堅調で、インフレ率も2%に向け徐々に上昇している」とし、「これまでに入手したデータから米経済は健全なペースで成長していることが示されている」と述べた。
そのうえで「11月初めの前回のFOMC以降、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標の引き上げに向けた論拠は明らかに強まっていると考えている」と述べた。
投資家やエコノミストらは90%程度の確率で12月に利上げがあると予想している。来年はトランプ新政権の行方次第だが、現時点で最低2回の利上げが見込まれている。
パウエル理事は、財政出動により社会基盤や産業基盤など公共インフラへの投資が増えれば、成長の足かせ要因とみられる民間セクターの低い生産性は押し上げられる可能性があるとする一方、成長自体は年前半以降、明らかに強まっているとも指摘。「経済は今後も過去数年間の流れを引き継ぎ、成長率は2%程度、雇用の伸びは力強く、労働市場は引き締まり、インフレは2%目標に向かって上昇すると予想される」と述べた。
参照元 : ロイター