ゆうちょ限度額上げに反発=「共存の道断たれる」―金融界

2015年6月18日(木)21時0分配信
 
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全国銀行協会の佐藤康博会長(みずほフィナンシャルグループ社長)は18日の記者会見で、ゆうちょ銀行の預入限度額(現行1000万円)の引き上げが自民党の提言の原案に盛り込まれたことについて、「(民間金融機関とゆうちょ銀との)共存の道が断たれる」と厳しく批判した。第二地方銀行協会の石井純二会長(北洋銀行頭取)も反対を表明。今秋に株式上場を計画するゆうちょ銀などの業務拡大を後押しする自民党内の動きに対し、金融界の反発が強まってきた。

ゆうちょ銀の預入限度額について、自民党の「郵政事業に関する特命委員会」は月内にも見直しの提言をまとめる。原案には、同限度額を9月中に2000万円に、2年後に3000万円までそれぞれ引き上げる方針が盛り込まれている。

全銀協の佐藤会長は、政府の事実上の関与が残る中でゆうちょ銀の預入限度額を引き上げることに、「預金流出など地域の金融システムにじん大な影響を与えかねない」と懸念を表明。その上で「不公正な競争条件の下での引き上げは許すべきではない。従来以上に強く反対していく」と述べた。

第二地銀協の石井会長も会見で「(ゆうちょ銀への)資金シフトが起これば地方創生の支障となる恐れがある」と指摘。ゆうちょ銀が求める地域金融機関との連携については「限度額が引き上げられないことが前提だ」と強調した。

原案には、かんぽ生命保険の契約限度額(現行1300万円)の引き上げも盛り込まれている。これに関し民間生保各社は「当然慎重であるべきだ」(大手生保)と反発し、自民党特命委の幹部らに撤回を求めていく構えだ。

参照元 : 時事通信