また先送りの“TPP合意” 日米の対立が大きな障害

2014/02/25 17:30

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4日間の議論で政治的な決着を目指したものの、合意はまた先送りとなりました。

(経済部・新谷時子記者報告)
25日午後に開かれた共同会見では、いつ頃までに妥結を目指すのか、目標は示されないままに終わりました。

甘利TPP担当大臣:「日米が妥結することが重要である。我々は誠心誠意、合意に向けて努力する」

アメリカ・フロマン通商代表:「閣僚会合に関しては、今のところ予定はない」

共同声明は、「更なる躍進を遂げた」と成果を強調しました。ただ、農産品の関税を巡る日米の対立が全体の障害になっていて、その構図は12月の会合から変化はありません。日米だけではなく、各国とも関税分野などで課題を抱えるなか、全体が妥協して決着を目指すという熱気は全く感じられませんでした。

ゴールも明確に示されず、日本の関係者からは「妥結は夏以降にずれ込むのではないか」という見方すら出始めています。「漂流」せずにまとめられるのか、TPP=環太平洋経済連携協定の交渉は今、立て直しを迫られています。

参照元 : テレ朝ニュース




TPP閣僚会合 日米協議膠着し妥結時期さえ示せず

2014/02/26 05:52

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シンガポールで開かれていたTPP=環太平洋経済連携協定の閣僚会合は、妥結に向けた道筋も示されないまま4日間の日程を終えて閉幕しました。

甘利TPP担当大臣:「結論からいうと、結果は決裂でも漂流でもなく、次に向けて良い前進ができたと思っています」

甘利大臣は、これまで難航してきた著作権などの「知的財産」や「国有企業」の規制を巡る分野では、一定の前進があったと評価をしました。しかし、「関税」の協議では、農産品5項目を守りたい日本と、関税撤廃を求めるアメリカとの間で議論が膠着(こうちゃく)、甘利大臣とフロマン通商代表との2回の協議でも、両者の距離感は縮まりませんでした。

孤立を避けたい日本は、ほとんどの国と2国間会談を行い、農産品の関税維持に理解を求めました。しかし、各国から「さらに努力をするべき」と突き上げられるなど、日米協議が全体の足を引っ張っている実態が改めて浮き彫りになりました。

共同声明では「できる限り早期に結論を得るために努力をする」という表現にとどまり、次回の会合の日程や妥結の時期については明記されていません。4月に日本で予定される日米首脳会談で、TPPは主要な議題となる見通しで、日米の交渉の行方がTPP妥結の鍵を握っています。

参照元 : テレ朝ニュース



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