首相また「コピペ」 長崎平和式典スピーチ

2014年8月9日
 
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安倍晋三首相が九日、長崎市での平和祈念式典で行ったスピーチは、冒頭の表現など、およそ半分が昨年の記述と酷似していた。六日に広島市での平和記念式典で行った首相のスピーチも、冒頭部分が昨年とほぼ同じで「コピペ(文章の切り張り)で被爆者軽視だ」と批判を受けたが、姿勢を変えなかったことになる。

スピーチの冒頭部分で首相は、原爆の犠牲者を悼み、後遺症に苦しむ被爆者にお見舞いを述べた上で、長崎を復興させた人たちの努力に触れている。

この中で、昨年と表現が違うのは原爆投下からの年数だけ。昨年のスピーチで「被爆六十八周年」だったのが「被爆六十九周年」に、「六十八年前の本日」が「六十九年前の本日」にそれぞれ変わった。「苦しみ、悲しみに耐え立ち上がり、祖国を再建し、長崎を美しい街としてよみがえらせました」など、ほかの部分は一字一句違わない。

原爆症認定基準の見直しなど、政府の取り組みを紹介する部分は昨年と異なる。しかし、核兵器廃絶への誓いを述べる末尾の部分は、冒頭と同様、昨年のスピーチとほとんど一緒だった。

政府は、広島市での首相スピーチが昨年と似ていたことについて、「一年一年、中身を吟味しながら、犠牲者や平和に対する思いを盛り込んで作っている」(加藤勝信官房副長官)と釈明していた。長崎でも表現が昨年と酷似していたことで「平和に対する思い」の深さに疑問符がついた。

首相はこの後、被爆者団体と面談。長崎原爆遺族会の正林克記(まさばやしかつき)会長は首相に「ちょっとがっかり。被爆者みんながびっくりした状態です」と失望を伝えた。

参照元 : 東京新聞


被爆者代表「政府に怒り」 長崎、各所で鎮魂の祈り

2014/08/09 20:35

9日の長崎の平和祈念式典で、被爆者代表として集団的自衛権の行使容認を閣議決定した政府を「暴挙」と批判した被爆者代表・城台美弥子さん(75)は同日午後、長崎市で開かれた集会で「首相らが見え、怒りがこみ上げた。

政治家らを縛る憲法を無視する政府に、黙ってはいられなかった」と発言の理由を明かした。 被爆から69年となった長崎は、式典後も各所で行事があり、鎮魂の祈りに包まれた。

台風11号の影響で、犠牲者を追悼する恒例の「たいまつ行列」は中止に、例年、灯籠を川に流す「万灯流し」は規模を縮小して長崎市の爆心地公園で実施された。

参照元 : 長崎新聞