大雪の死者23人 関東は20日も降雪の予報

2014年2月17日20時30分
 
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14〜16日にかけて東日本を襲った大雪による影響は17日も続いた。朝日新聞のまとめでは、17日夕現在、死者は計23人。除雪作業が追いつかず、山梨県や東京都では降り始めから4日目に入ってもなお、孤立したままの集落がある。気象庁は、関東では20日に再び雪が降ると予想している。

今回の大雪では、全国17カ所で観測史上1位の積雪を更新した。甲府市では、これまでの記録の2倍以上となる114センチを記録。群馬県草津町で162センチ、山梨県富士河口湖町で143センチ、埼玉県秩父市で98センチ、同熊谷市で62センチ、前橋市73センチ、宮城県白石市で57センチなど。

道路の除雪作業が進まず、山梨県富士河口湖町のホテルでは大学生ら約80人が缶詰め状態に。宮城県丸森町で1千人以上、東京都奥多摩町や檜原村でも、数百人単位の孤立状態が続いている。

日本道路交通情報センターによると、高速道路は17日夕現在、中央道、関越道、上信越道の一部が通行止めになっている。中日本高速道路は中央道について17日中の復旧を目指している。空路は、北海道発着の国内線を中心に日本航空12便、全日空26便が欠航した。

気象庁によると、関東地方は20日に再び雪が降る予報。2週続けて大雪を降らせた気圧配置と同様、本州の南海上を低気圧が通過する見通しだ。今のところ大雪の可能性は低いが、残雪の上に雪が積もって落雪や雪崩の危険が増す場合もあり、気象庁は注意を呼びかけている。

■青果品薄、工場停止も

物流の乱れで、暮らしへの影響も広範囲に及んでいる。

日持ちしない野菜などは小売店で品薄になったり、値上がりしたりするおそれがある。東京都中央卸売市場大田市場では17日、競りに間に合わないトラックが相次ぎ、集まった青果は予定の6〜7割にとどまった。青森県産のリンゴや長野県産のキノコは入荷がゼロに。「全体的に品薄で価格が高くなった」(卸売業者)といい、15日から17日にかけてコマツナの値は500グラム158円から315円に上がった。

宅配便の遅れも解消されていない。ヤマト運輸では17日も中部や近畿地方からの荷物が関東の一部で届いていない。日本郵便の郵便物や荷物の集配も半日から数日ほど遅れが出ている。

部品が届かずに生産が止まった工場も17日、相次いだ。トヨタ自動車は愛知県内の4工場を止め、スズキは静岡県内の主力3工場の生産の一部を停止した。ホンダは寄居工場(埼玉県寄居町)を停止。富士重工業の群馬製作所(群馬県太田市)、日産自動車の栃木工場(栃木県上三川町)も操業を一部取りやめた。

参照元 : 朝日新聞


経験超える大雪、除雪追いつかず 孤立・通行止め多数

2014年2月18日01時43分

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東日本を襲った記録的な大雪で、車の渋滞や立ち往生、集落の孤立が長時間続く事態が続発している。多くは、本来豪雪地帯ではない地域。経験を超える大雪への対応が、後手に回った。

通行止めが15日未明から続く群馬県と長野県を結ぶ国道18号の碓氷バイパス。17日になって除雪作業が進み、立ち往生していたバスやトラックが動き始めた。

東京からスノーボードに来た帰りに高速バスで動けなくなった大学生の白井美穂さん(19)は、車中や近くの公民館で3日間、寝泊まりした。「まさかこんな目に遭うとは。車で寝るのは体が痛くてしんどかった」

3日間通行止めになっていた中央自動車道は、17日午後11時にようやく開通した。

中日本高速によると、14日午後1時45分ごろから山梨県内の一部区間で通行止めとなり、順次拡大。15日未明までに東京から岐阜県までの最大288キロが通行止めに。

中日本は除雪車など約250台で除雪にあたったが、雪が多すぎて思うように動かせなかったという。積雪は最大で167センチを記録。「準備はしていたが、過去に例のないほどの大雪で対応しきれなかった」

東名高速では上下線ともに最大40キロ以上の大渋滞が起き、車が立ち往生した。大量の車が滞留したため除雪も思うように進まず、解消に時間がかかった。

中日本によると、14日夜、上りは静岡県裾野市の裾野インターチェンジ(IC)付近、下りは神奈川県山北町の都夫良野トンネル付近の斜度3〜5%の上り坂で前に進めない車が出始めた。午後4時55分にはチェーン規制を出し、IC入り口などで告知していたが、冬タイヤを装着せずに本線に入った車がスリップしだした。

中日本は、大雪だった8日同様に除雪車やレッカー車など約150台、作業員約400人を投入して除雪にあたったが、通行止めにして新たな車の流入を防ぐ措置は上りが15日午前1時、下りが同3時となり、渋滞の列が伸び続けた。最終的に上下線合わせて約2千台が雪に囲まれ、すべての車を現場から出すのに丸1日以上かかった。

通行止めにするまで時間がかかったことについて、中日本は「大動脈なので出来るだけ通行止めは避けたかったが、その後もさらに降雪で路面の状況が悪化しそうとの予想もあり、やむなく判断した」という。

■合宿82人孤立・室内で防寒着

14日夜から17人が取り残された埼玉県秩父市のトンネル付近。17日、17人全員が県警のヘリコプターで救い出された。

市内で働く運転手山中亨彦(みちひこ)さん(68)と三義(みつよし)さん(65)の兄弟は、雪崩に巻き込まれて60時間近く、空腹と寒さに耐えた。

2人は14日夕、群馬県境を軽自動車と10トントラックで出発。亨彦さんの軽自動車は数キロ走ったところで雪で動けなくなった。前後に雪崩も起きた。道路脇の川を腰まで水につかって200メートルほど歩き、トンネルに避難。「近くにあった板に持っていたライターで火をつけて、暖を取った」

16日午後、県警ヘリが投下した物資を発見し、ようやく寝袋で眠れた。

亨彦さんの後ろを走っていた弟の三義さんは1時間ごとにエンジンを掛けて運転席で暖を取った。持っていた眠気覚ましのガム15枚とあめ玉8個で2日余りをしのいだ。救助されて口にしたのは、ソーセージとチューブ入りゼリー。「うれしくて涙が出る」

山梨県富士河口湖町では、精進湖湖畔の精進レークホテルで合宿中の慶応大生ら82人が孤立した。ホテルへ続く道は17日午後8時時点で、依然、全面通行止め。孤立が続く。

雪は15日朝には150センチほどに。頼りはスコップ5本のみ。学生たちは交代で幅50センチの道を約600メートル掘り進め、近くのコンビニエンスストアに飲料水などを購入しに向かった。

ホテルは停電、水道やプロパンガスも止まった。その夜はろうそく1本で過ごした。付近の最低気温は零下4・3度に達した。ストーブも使えず冷え込む中、毛布にくるまってしのいだという。

同大2年の間瀬由紀乃さん(20)は「みんな、落ち込んだり、疲れがたまったりしている。先が見通せずつらい」と話した。

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参照元 :
テレ朝ニュース


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