絶滅したはずのカエルが、137年ぶりに確認される! 奇妙な見た目と不思議な生態とは?=インド
2016.02.02
トカナ読者の多くは、とりわけ地球外生命体の話題に敏感だ。しかしこの地球上にも、まだ私たちが存在に気づいていないだけの“知られざる仲間”が生息している。なんと、137年前に絶滅したと考えられていたカエルが、このたび生存していることが確認されたようだ。
1世紀以上の長きにわたり、インドの奥地で人知れず命をつないでいたカエル――。アマガエル属に含まれるようだが、学者たちの常識を覆すほど珍しい生態を有しているという。早速、詳細についてお伝えしよう。
■「インドのカエル男」もびっくり!
イギリスの公共放送BBCなどが報じたところによると、問題のカエルを137年ぶりに“再発見”したことが判明したのは、デリー大学の高名な両生類生物学者サティアバマ・ダス・ビジュ博士だ。これまでにインド各地で89種もの新種を発見してきたことで「インドのカエル男」との異名をとるビジュ博士だが、今回の発見はとりわけ喜ばしいものだったようだ。
その瞬間は、2007年のインド北東部における調査の最中に訪れた。
「木の上の方から、カエルによる“オーケストラの旋律”が聞こえてきたわけです。魔法のようにね。もちろん調べましたよ」(ビジュ博士)
すると、地面から約5.7mの高さにできた木の穴の中に、見たこともないカエルが大量に生息している光景が広がっていたという。すぐに調査を開始した博士は、そのカエルの奇妙な生態を目の当りにする。
■カエルとは思えない不思議な生態
問題のカエルは、木の穴に溜まった水の中に卵を産みつける。そこで孵化したオタマジャクシは、母ガエルから与えられる未受精卵を食べて成長。オタマジャクシの目が、頭部に上向きでついているのは、母ガエルが産み落とす未受精卵をしっかりと捉えるためだと考えられている。やがてオタマジャクシはゴルフボールほどの大きさの生体へと変化し、穴から巣立っていく。通常、生体は虫や幼虫を捕食するが、このカエルの場合は植物を主食にしているという。
■しかし、再び別れの予兆が……
調査の過程で、これが1870年ごろにイギリス人動物学者のトーマス・ジェルドンが標本にして以来、長らく存在が確認されていなかったカエルだと確信したビジュ博士。DNA解析を含む数年に及ぶ研究の末、まったく新しい分類のアマガエルに属するものと結論づけた。過去には「Polypedates jerdonii」や「Frankixalus jerdonii」という名前を与えられていたようだが、これも変更する必要があるとのことだ。
まだ新しい名前を持たない今回のカエルだが、ビジュ博士の研究によると、中国やタイの奥地にも生息している可能性があるようだ。しかし博士は、彼らの生息地である熱帯雨林が農地や住宅用地の確保のために猛烈なスピードで失われている現状を嘆いている。絶滅したと考えられていたカエルとの劇的な再会を果たした私たち。悲しい別れを繰り返さないために、いま何ができるのだろうか。
(編集部)
参考:「PLOS ONE」、「BBC NEWS」、ほか
参照元 : TOCANA
2016.02.02
トカナ読者の多くは、とりわけ地球外生命体の話題に敏感だ。しかしこの地球上にも、まだ私たちが存在に気づいていないだけの“知られざる仲間”が生息している。なんと、137年前に絶滅したと考えられていたカエルが、このたび生存していることが確認されたようだ。
1世紀以上の長きにわたり、インドの奥地で人知れず命をつないでいたカエル――。アマガエル属に含まれるようだが、学者たちの常識を覆すほど珍しい生態を有しているという。早速、詳細についてお伝えしよう。
■「インドのカエル男」もびっくり!
イギリスの公共放送BBCなどが報じたところによると、問題のカエルを137年ぶりに“再発見”したことが判明したのは、デリー大学の高名な両生類生物学者サティアバマ・ダス・ビジュ博士だ。これまでにインド各地で89種もの新種を発見してきたことで「インドのカエル男」との異名をとるビジュ博士だが、今回の発見はとりわけ喜ばしいものだったようだ。
その瞬間は、2007年のインド北東部における調査の最中に訪れた。
「木の上の方から、カエルによる“オーケストラの旋律”が聞こえてきたわけです。魔法のようにね。もちろん調べましたよ」(ビジュ博士)
すると、地面から約5.7mの高さにできた木の穴の中に、見たこともないカエルが大量に生息している光景が広がっていたという。すぐに調査を開始した博士は、そのカエルの奇妙な生態を目の当りにする。
■カエルとは思えない不思議な生態
問題のカエルは、木の穴に溜まった水の中に卵を産みつける。そこで孵化したオタマジャクシは、母ガエルから与えられる未受精卵を食べて成長。オタマジャクシの目が、頭部に上向きでついているのは、母ガエルが産み落とす未受精卵をしっかりと捉えるためだと考えられている。やがてオタマジャクシはゴルフボールほどの大きさの生体へと変化し、穴から巣立っていく。通常、生体は虫や幼虫を捕食するが、このカエルの場合は植物を主食にしているという。
■しかし、再び別れの予兆が……
調査の過程で、これが1870年ごろにイギリス人動物学者のトーマス・ジェルドンが標本にして以来、長らく存在が確認されていなかったカエルだと確信したビジュ博士。DNA解析を含む数年に及ぶ研究の末、まったく新しい分類のアマガエルに属するものと結論づけた。過去には「Polypedates jerdonii」や「Frankixalus jerdonii」という名前を与えられていたようだが、これも変更する必要があるとのことだ。
まだ新しい名前を持たない今回のカエルだが、ビジュ博士の研究によると、中国やタイの奥地にも生息している可能性があるようだ。しかし博士は、彼らの生息地である熱帯雨林が農地や住宅用地の確保のために猛烈なスピードで失われている現状を嘆いている。絶滅したと考えられていたカエルとの劇的な再会を果たした私たち。悲しい別れを繰り返さないために、いま何ができるのだろうか。
(編集部)
参考:「PLOS ONE」、「BBC NEWS」、ほか
参照元 : TOCANA