韓国セウォル号沈没事故、船長に死刑求刑

2014年10月27日 21時48分
 
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【光州(韓国南西部)=吉田敏行】韓国の旅客船「セウォル号」沈没事故で、乗客らの救護措置を怠ったとして、殺人罪などに問われた船長のイ・ジュンソク被告(68)ら15人に対する論告求刑公判が27日、光州地裁であり、イ被告に死刑を求刑し結審した。

判決は11月11日に言い渡される。

検察側は、イ被告について「船長として船にとどまる義務があるのに、乗客への待機放送後、何の救護措置も取らずに脱出した責任は最も重い。公判で虚偽の陳述をし、一貫して反省の様子が見られない」などと主張した。

公判では、〈1〉乗客に船外への退避を呼びかける案内放送があったか〈2〉イ被告らに、船内の乗客が死んでもかまわないという「(殺人の)未必の故意」があったかどうか――が争点になっている。

イ被告は、捜査段階では退避指示をしなかったと認めたが、公判では一転、「航海士に指示した」と起訴事実を否認。これに対し、検察はこの日の公判で、「指示を受けていない」といった複数の乗員の証言を示し、「イ被告の供述は信ぴょう性がない」と指摘した。

また、未必の故意に関しては、船長らは乗客が待機していることを知っていたのに、現場に駆けつけたタンカーからの支援申し出や、管制センターが乗客を脱出させるよう繰り返した無線での呼びかけを無視したことを指摘し、「乗客は死んでもいいと思った内心が確認できる」と結論づけた。

イ被告はこの日の意見陳述で、「事故当時は混乱し、まともな精神状況ではなかった。しっかりした措置がとれず、多くの方が犠牲になり、死に値する罪を犯した。だが、殺人の故意はなかった」と述べた。

検察はイ被告のほか、殺人罪に問われた1等航海士や機関長ら3人に無期懲役、その他の11人に懲役30〜15年を求刑した。

セ号事故で250人が死亡・行方不明となった檀園高(京畿道キョンギド安山アンサン)の生徒の遺族らは27日も傍聴。高2の長男が犠牲になったオ・ホンジンさん(52)は、「求刑は納得できない。乗員らは法廷でも生き残ることしか考えていなかった」と怒りをあらわにした。

参照元 : 読売新聞