元ロシア情報員毒殺「プーチン大統領が恐らく暗殺を承認」

2016年1月22日(金) 1時48分
 
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10年前にイギリス・ロンドンでロシアの元情報機関員のリトビネンコ氏が毒殺された事件について、イギリスの独立調査委員会は「プーチン大統領が恐らく暗殺を承認した」とする報告書を発表しました。

「リトビネンコ氏殺害の作戦は、恐らくプーチン大統領とパトルシェフ・ロシア連邦保安庁長官によって承認された」(イギリス 独立調査委員会)

事件が発生したのは2006年。プーチン政権を批判していたロシアの情報機関員・リトビネンコ氏は、イギリスに亡命した後、イギリスの諜報機関「MI6」で働いていたといわれています。

そしてリトビネンコ氏は、ロンドン市内のホテルで元ロシア情報機関員らと会った際、放射性物質のポロニウムが入ったお茶を飲まされ、3週間後に死亡しました。

誰がリトビネンコ氏を毒殺したのか。
イギリス政府の独立調査委員会は、「おそらく実行犯はFSB=ロシア連邦保安庁の指示で毒を盛った」とした上で、「その作戦をプーチン大統領とFSB長官がおそらく承認した」と発表しました。

これを受け、リトビネンコ氏の妻・マリーナさんは、プーチン大統領ら個人への制裁を求めました。
 「プーチン大統領とFSB長官(当時)個人に対する経済制裁と渡航禁止を求めます」 (リトビネンコ氏の妻 マリーナさん)

また、イギリスの内相は、国際法の観点から殺害は受け入れられないと批判しました。これに対し、ロシア外務省は、「事件が政治利用され、二国間関係に影を落としたのは残念だ。そもそも報告が公平なものになるとは期待していなかったし、きわめて不透明な調査だった」と反発しています。

参照元 : TBSニュース