【奈良】不正入札疑惑の天理市議死亡 自殺か

2016年08月10日 18:56

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奈良県天理市の不正入札疑惑で、大阪地検の捜索を受けた男性市議(66)が、10日朝、死亡したことがわかりました。カッターナイフで自殺を図ったとみられます。

天理市のメガソーラー設置事業の入札をめぐっては、男性市議(66)が審査情報などを市の職員から聞き出し、落札した法人側に事前に伝えた疑いがあり、大阪地検特捜部が3日、市議の自宅などを捜索していました。

警察によりますと、午前9時半ごろ、男性市議が天理市内にある親族の自宅の浴室で全裸で血を流して倒れているのが見つかり、搬送先の病院で死亡が確認されました。胸や腹などに複数の刺し傷があり、近くに血の付いたカッターナイフが落ちていて、警察は、自殺を図ったとみて調べています。

参照元 : ABCニュース


疑惑の天理市議が死亡 自殺か

2016年8月10日(水)20時56分配信

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奈良県天理市のメガソーラー発電施設の誘致をめぐり、入札情報を漏らした疑いがもたれていた市議会議員の男性が10日死亡しました。

警察は自殺した可能性もあるとみて調べています。

10日午前、奈良県天理市で、市議会議員の男性(66)が親族の家の浴室で倒れているのが見つかり、間もなく死亡が確認されました。

発見当時、市議の腹や胸には刺し傷があったということです。

警察は自殺した可能性もあるとみて調べています。

大阪地検特捜部は、市議が天理市に建設中のメガソーラー発電施設の誘致をめぐり入札情報を落札企業に漏らした疑いがあるとして、市役所などの捜索を行いました。

関係者は、市議が落札企業から現金を受け取っていたと証言していましたが、市議は関西テレビの取材に対し受け取りを否定していました。

大阪地検は、捜査が適切だったか検討するとしています。

参照元 : 関西テレビ

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天理市議が死亡、自殺か 大阪地検特捜部が家宅捜索

2016/8/10 14:09

奈良県天理市が誘致した大規模太陽光発電所(メガソーラー)の事業者選定を巡り、官製談合防止法違反容疑で大阪地検特捜部の家宅捜索を受けた男性市議(66)が、同市内で死亡したことが10日、関係者への取材で分かった。自殺を図ったとみられる。

奈良県警などによると、男性市議は10日午前9時半すぎ、天理市の親戚宅の浴室で、腹と胸から血を流した状態で見つかった。同市内の病院に搬送されたが、死亡が確認された。

男性市議を巡っては、メガソーラー事業の入札情報を市職員から聞き出して業者に伝え、見返りに現金を受け取った疑いもあり、特捜部が任意で事情を聴くなどしていた。

参照元 : 共同通信


【奈良県】政治屋、暴力団など暗躍

関西最大級メガソーラー建設利権の闇

落札した一般社団法人の正体

現在、奈良県天理市の山間部で大規模な太陽光発電所施設(メガソーラー)の建設が進んでいる。

現場(福住町)は天理市市有地(約43ha)とその周辺地。

そもそもこの市有地は、市土地開発公社が98年度までに工業団地誘致のために約22億円をつぎ込んで取得したものの同計画は頓挫。以来、未活用のままだった。

そこに東日本大震災が発生。これを契機に自然エネルギーが見直されるようになったことから、市は同地に今度はメガソーラ誘致を計画。貸付期間は20年で、市には総額8億6000万円の家賃が入ることになる(年間4300万円)。のメガソーラ建設の事業主は「Kクリーンエナジー奈良」(東京都千代田区)。オリックス70%、九電工30%出資の会社。

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17年2月から(1期分の)運転開始を目指している。工事は1・2期に分かれており(1期は市有地が大半。2期はすべて隣接する民有地を利用)、その総発電量は3万kW以上(1期のみの発電量は2・3万kW)。これは関西最大級規模だ。

これだけ見れば、天理市は収入を得れるし、相手企業は一流、事業内容もクリーンエネルギー発展に寄与するもので何とも結構なことだ。

だが、その裏側では悪徳ブロカー、地元政治屋、暴力団などが暗躍し、このメガソーラ事業利権を食い物にしていた重大疑惑がある。

天理市は13年7月、事業者募集を行い、これに対し2社が応募。翌8月の入札(プロポーザル方式)の結果、一般社団法人「メガソーラー・ジャパン」(大阪市中央区)が選ばれた。

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もっとも、このメガ社、従業員は3名に過ぎず、これという実績もなければ、奈良県に人脈も土地勘もない。有体にいえば、その実態は、太陽光発電ブームに便乗し同利権にありつこうというブローカーのペーパーカンパニーに過ぎない。

これに対し天理市の方も、失礼ながら片田舎の山間部の土地利用に関すること故、広報も行き届かないため応募者は限られることを想定し、ブローカーが共同事業者というかたちでメガソーラーを建設できる資金力ある企業を引っ張って来てくれればそれでよかったわけだ。

暗躍した天理市ベテラン市議

メガ社が人を介し落札するために頼ったのは、地元・天理市の何度も議長経験もある市議・佐々岡典雅氏(7期目。自民党)だった。

「ベテランで、市の担当部署ともツーカー。ライバル企業の情報を入手しメガ社に流した。一番重要な情報は、市有地の賃借料をいくら出せるか。佐々岡氏はライバル会社のこの賃借料の情報も取り流した。その証拠に、メガ社は募集書類を市に提出する直前、その額を書き直している」(告発者)

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そして、メガ社からは佐々岡市議に選挙資金として600万円の謝礼が支払われたとの証言もある。これが事実なら、立派な贈収賄だろう。

このメガソーラ利権とは、むろんこれだけではない。関係者によれば、このメガ社に対し、このメガソーラ事業権利の譲渡を受けるオリックス・九電工側から市有地周辺の土地買収や造成工事名目などで軽く100億円以上のカネが流れているという。

「落札したメガ社が林開発の許可や経済産業省の設備認定などを得、共同企業者のオリックス側が発電施設を建設した後、この事業権利の譲渡が行われる流れ」(天理市役所筋)

当初、メガ社は中国系企業S社と組んだが事業の取り組み方についての見解の相違から決裂。その後、米国の投資顧問会社G社、独国の太陽光発電会社W社と組んだが、W社は会社更生法の適用を受けるなどし、これまた共に頓挫。

利権巡るトラブルから疑惑浮上

オリックス側を選定したのは14年5月ごろ。メガ社が落札してから約9カ月間、最終事業者の選定で紆余曲折があった。

メガ社の横田裕代表理事(当時)は元三洋電機海外子会社代表。また、創価学会員ということで、それなりの人脈を有していた。

さて、本題はここからだ。

佐々岡市議は市有地周辺の地上げに、自分の息のかかった業者を入れることも要求した。

「そもそも、佐々岡市議にメガ社を繋いだのは大阪府警本部捜査4課OB。そのOBの会社W社、M不動産を入れた。府警OBは一時、メガ社の相談役に就いていたほど。ところが、地上げが約束の期限までに完了しなかったことからメガ社はこの2社との契約を一方的に解除。これに激怒した佐々岡市議らとの間でトラブルになった」(同)

以下は、14年1月10日奈良市内で、佐々岡市議と契約を切られた2社社長の計3名と、メガ社の代表理事など計4名が話し合いの席を持った際の佐々岡氏の発言の一部(要約あり)。

山口組系地元直系組織も関与か

「田舎っていうのはね、全て事業するのに“協議費”がやっぱりされているんです。それが不正行為なのか、それは別にして。その協議費も県会から“言うといてやった方がいいよ”と。でも、政治家もろには言えませんから。“なんぼせぇ”とか。例えば、××の南側は○○の人多いから。我々は○○と密にさせてもらっとるんですけどね」「私もいろんなつきあいしてます。ぶっちゃけた話。ヤクザであろうが、何であろうが、奈良県では私の名前は一切出ない。そういう風に守られて来たんです、私は。右翼も会った。××新聞も会った。すべて私が鎮めて来た。あんた方が不安がる思うてね。奈良県っちゅうのは事業しようと思うたら、常にヤクザみたいな者とかね、『仕事くれ』とか来ますが、そんなん皆、鎮めた。とんでもないことやるんです。火付けて夜中燃やしたりあった。私は考えて、年始の挨拶も奈良県の(暴力団)トップにも会ってますしね」

“協議費”とは、地上げのために地区有力者に配る裏ガネ。○○は「同和」を指す。また(暴力団)トップとは、山口組系倉本組(本部・奈良市。当時)の河内敏之組長(当時)を指す。

さらに、この会話記録で同じく注目されるのが、メガ社側は「私共、本当に佐々岡さんにご紹介いただいた土地なんで」、「それはもう(佐々岡)先生のお陰で(落札、建設工事は)出来たんです」と何度も感謝の言葉を述べている事実だ。

I県議の造成工事利権疑惑

そして、この話し合いの席後、佐々岡市議に同席した2社の地上げ契約は復活しなかったものの、代わりに、佐々岡市議と親しい、同じく天理市を地盤にするI県議(自民党)がオーナーの「M建設」が1期メガソーラー建設の造成工事下請けに入ったとの有力情報がある。

「造成工事を受け負ったのは地元の別のM建設。しかし、これはM県議の関わりを消すためのダミーに過ぎない。

このM県議オーナーのM建設は、倉本組が1年に一度催す親密企業との交流会のメンバーでもある。先代組長時代からのつきあい」(地元事情通)

高市総務相の名前も登場

さらにいえば、前出の話し合い会話のなかには、メガ社の横田代表理事のこんな発言もあった。

「自民党の本部まで出向いてですね、高市早苗さん(現・総務大臣。奈良2区。当選7回)にお願いして、関電の方の30メガ(3kW)の認可をですね……。関電のトップとも会えて、“うまく行きましたよ”と高市早苗さんから私の方へ電話が入ってました」

以上のように、このメガソーラ建設を巡っては水面下でいろんな者が暗躍し、相当のカネが闇に消えている疑惑がある。

ところが、そのキーマンともいえる前出・河内組長は昨年10月26日に拳銃自殺(10月19日に山口組から除籍処分)。

当局もこの件に関心を寄せていたが、死人に口なしで、佐々岡市議らは胸をなでおろしているとも。

しかし、一部紹介した前出の“会話記録”が表面化すれば、反社とつるんでいることを自ら認めているのだから、少なくとも佐々岡市議はアウトだろう。

参照元 : 四国タイムズ