仮想通貨の「ゲームはまだ続行中」、専門家の一部に高い期待感

2018/4/7(土) 13:00配信

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一部の専門家たちによれば、ビットコインやイーサリアム、リップル、ライトコインなどの仮想通貨への投資で大金を稼ぎ、そして本当の意味で自由になることは、まだ十分に可能だ。

仮想通貨はごく短い期間のうちに、多くの人に巨額の富をもたらした。価格が高騰し始める以前、初期の段階で購入した人たちだ。一方で仮想通貨は同様に、ごく短期間のうちに多くの人から多額の資金を奪った。価格が急落し始める直前、最高値のころに投資した人たちだ。

金融市場に関する情報を提供するインベスティング・ドットコムのシニアアナリスト、ジェシー・コーエンは、「過去数か月の仮想通貨市場での価格変動は、相当にひどいものだったと言っていいだろう」 「主要な仮想通貨の全てが今年に入り2桁台の割合で値を下げ、その後もそれぞれ、200日移動平均線を下回る水準での値動きとなっている。これは通常、今後も下落が続くというサインだ」

ただ、それでもコーエンはビットコインやその他の主要な仮想通貨について、ゲームが終わったとは考えていない。

「ビットコインは以前にも、こうした値動きを見せたことがある。長期間にわたって大幅に値下がりした後に急騰し、短期間のうちに過去最高値をつける。現時点ではそれほど活気がある状態と言うことはできないようだが、仮想通貨が終わったと判断するのは時期尚早だろう」

仮想通貨ウォレットアプリを開発・運用するBread(ブレッド)の共同創業者で最高マーケティング責任者(CMO)のアーロン・ラッシャーも、コーエンと同意見だ。

「ゲームは終わっていない…われわれは資産のトークン化に向けてこれから何十年も続くトレンドの初期の段階にある」

ラッシャーは、仮想通貨を巡るイノベーションが人々の生活を変えていると指摘する。ソーシャルメディア上で仮想通貨の先行きに暗い見通しを示す人たちがいても、それにだまされてはいけないのだ。

「仮想通貨の価格に起きた大陸シフトを拡大鏡で見てみれば、だまされるかもしれない。昔ながらのジャーナリストたちの見方によれば、ビットコインは少なくとも過去に100回以上死んでいる」

ラッシャーの考えでは、仮想通貨は依然として、豊かで真に自由な生活を手に入れるためのチケットだ。

「仮想通貨によって富を築くことは、真の自由、つまり個人の経済的状況が政治やさまざまな問題、相互に関わり合うものの変化、グローバルなシステムにほとんど影響されなくなることだと言い換えてもいい」

これらの言葉は間違いなく、仮想通貨市場はすでにバブルが破裂した状態にあると考える人たちではなく、最高値に近い価格のころに仮想通貨を買い始めた投資家たちにとって、大きな慰めとなるものだ。バブルが破裂すれば投資家たちに何が起きるか、私たちはみな知っている。

(仮想通貨やトークンへの投資は、非常に投機的だ。市場にはほぼ規制がない。投資額の全てを失う可能性があることを覚悟しておく必要がある。米ロングアイランド大学ポスト校の経済学教授である筆者は、ビットコインを保有していない)

参照元 : Forbes JAPAN


仮想通貨の将来性は? 基本となる3つの機能から考える

2018/4/9(月) 20:00配信

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2018年の仮想通貨市場は「コインチェック騒動」から慌ただしく始まった。それにつられたかのようにビットコイン価格は暴落。昨年末230万円台だったのが、2月には64万円まで下落した。

勢いに冷や水を浴びせられた仮想通貨業界の今後に、暗雲立ち込めたかのように思えるが、「仮想通貨の3つの機能が将来性を期待させる」と、IFTA認定のアナリストで投資家として活躍する天空の狐さんは言う。

「3月に行われたG20(20か国財務相・中央銀行総裁会議)では、仮想通貨を『暗号資産』と表記し、『金融・経済の効率化に寄与する可能性を有す』との共同声明を発表しました。さまざまな問題は抱えながらも、国際社会として仮想通貨を認め始めています」(天空の狐さん「」内、以下同)

仮想通貨=ビットコイン、ビットコイン=投機、というイメージが一般的になりつつあるが、仮想通貨にもいくつか種類がある。それぞれどのような役割を持ち、我々の生活に寄与するのだろうか。

「仮想通貨は大別すると、(1)積立資産、(2)決済手段、(3)ネットワークの3つの機能があります。認知度の高いビットコインは(1)積立資産としてゴールド、つまり金のように扱われるでしょう」

ビットコインは発行の上限枚数が2100万ビットコインと決められており、2140年には限度に達すると予測されている。金と同様に市場に流通する量が決まっていれば、希少性から市場価値が形成され、資産としての役割をビットコインが持つようになるという。

「(2)の決済手段になり得るのは『ビットコインキャシュ』などです。ゆくゆくは日常的に使用されることとなり、クレジットカードにとって替わる存在になっていくと思います」

ビットコインキャッシュは2017年8月にビットコインからハードフォーク(新しい仕様として分裂)するかたちで誕生。同月にはSBIホールディングスの関連会社がビットコインキャッシュのマイニング(採掘)を行うと発表した。金融業界大手の会社がビットコインキャッシュのシェアを握ることとなれば、認知や利用者増の広がりも早いかもしれない。

「(3)のネットワークは、価値の移転を記録する『イーサリアム』、『リップル』などが役割を果たします。これらはスマート・コントラクト(仲介不要の自動契約)として我々の生活を大きく変革させるでしょう」

イーサリアムやリップルはプラットフォームとしての機能を持つ。株式や不動産、車などさまざまな局面で、第三者の仲介を必要とする売買契約が存在する。今後は仲介者不要で自動的かつスムーズに契約をすることが可能となる、それが「スマート・コントラクト」。既存のあらゆる資産が仲介者不要で素早く売買契約が進むこととなれば、我々の生活は激変するだろう。

「仮想通貨による生活がインターネットやスマートフォンと同様に普及することも考えられます。私たちは今、歴史的瞬間を目の当たりにしているのかもしれません」

【PROFILE】天空の狐:IFTA国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト、ESTA名誉会員(日本人で唯一)、MT4・MT5自動売買&裁量フルタイムトレーダー。ドイツ企業INTALUS.日本代表を経て、ドイツ金融アルゴリズムTradesignal日本代表に。テクニカル分析やアルゴリズム・ストラテジー開発に従事。メールマガジン「天空の狐 ビットコイン&グローバルマーケット」、「ビットコイン&グローバルマーケット ミニ版」にて、マーケットレポートを配信中。Twitter:@firmamentfox

参照元 : マネーポストWEB