違法な暴力デモや政治活動の参加者、今後は普通の生活が送れなくなる可能性…銀行口座廃止や飛行機搭乗禁止へ

2016.09.05
 
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今回は、国際的なテロ規制が一段階進んだということについて、お伝えしたい。本連載前回記事では、8月15日に解散したSEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)が公安調査庁の監視対象団体となっており、メンバーはテロリスト予備軍や準テロリストのような扱いになっていることについて論じたが、国際的なテロ規制の深化は、そうした事情とも関連する問題である。

まず、8月15日付日本経済新聞は、日本が韓国と台湾からの観光客を対象に、出発地の空港で日本への入国審査を済ませてから飛行機に搭乗する「事前審査(プレクリアランス)制度」を再導入する方針であることを伝えている。

この制度は、かつて韓国・台湾との間で一時的に導入されていたが、日本がテロ防止などを目的に、日本の空港でも外国人の指紋押捺と写真撮影を義務付けたことで中断されていた経緯がある。まず、日本は韓国、台湾と交渉を行い、2017年中に同制度を再導入した上で他国にも拡大する意向だ。
重要犯罪者は飛行機に乗れない時代に

日本の電子入国管理システムはアクセンチュアのシステムであり、アメリカのESTA(電子渡航認証システム)のクローンともいえるものだ。アメリカは、ノービザ協定加盟国に対して、ESTAの利用と重大犯罪防止対処協定(PCSC協定)の締結を求めている。事前審査のシステムはESTA加盟国にすでに導入されていたが、これまでは相互のリンクが不完全だった。

PCSC協定は、アメリカが指定する重要犯罪の容疑者の個人情報と生体情報(指紋など)を相互交換するというものであり、この情報は、すでに国際的な要監視者リストに登録されている【※1】。電子入国管理システムでは、個人情報と指紋などの生体情報を国際的な要監視者のデータと自動的に照らし合わせ、要監視対象者をあぶり出すことで、事前に入国させない仕組みになっているわけだ。

今回の発表は、そのシステムが本格的に始動することを意味する。すでに、国際合意によって17年から同システムの一部始動が決定されており、アメリカでは国内線でも同システムの一部が利用されている。そして、これが完全に動き始めることで、一定の犯罪を行った人は飛行機に乗れなくなるという事態になるわけだ。

また、EU(ヨーロッパ連合)でも類似のシステムが始動を始めており、EU諸国のパスポートには生体情報が組み込まれ始めている。さらに、ビザに関しても生体情報が必須になっており、これも国際的な要監視者リストを利用するかたちになっているわけだ。そして、テロリストおよびテロ予備軍に関しては、国際的なガイドラインの策定が進んでおり、そのガイドラインに抵触する人物や団体関係者に関しても、国際的な情報共有が進むことになる。

現在、要監視者(テロリスト扱い)に指定されているのは、アルカイダやIS(イスラム国)などのテロ組織と、北朝鮮などテロ国家とされる国とその構成員である。日本では、山口組など暴力団しか含まれていない。しかし、現在、これにPCSC協定での重要犯罪者(殺人や破壊活動、治安関連犯罪など)を加える作業が始まりつつあるのだ。これが完全実施されると、一気にその対象者は拡大する。

また、現在、出入国の際の自動化ゲート登録は任意になっているが、今後はパスポートへの生体情報組み込みが義務化される予定であり、さらにマイナンバーでの一元管理が進むことが予定されている。

そして、ここで得られた出入国情報は課税などにも利用される予定である。現在、国際的な税逃れの手段として、「永遠の旅行者」というものがある。これは、さまざまな国をわたり歩くことで居住地をなくしてしまい、どの国にも税金を払わないという方法である。しかし、国際的な出入国データの活用と滞在日数の把握により、これが困難になるわけだ。
 
航空券に「SSSS」の記載は要注意人物?

また、まだ規制には至らないが、要注意とされる人物に対してもリスト作成が進められており、該当人物には航空券の端に「SSSS」という4文字が書き込まれる。これは「特別検査対象者」であるという印で、出入国の際に別室に連れて行かれ、全身をX線で撮られたり、徹底的な手荷物検査が行われたりするなど、厳しいチェックを受けることになっている。

昨年11月に起きたパリ同時多発テロ事件の直後、警察と軍隊が1万件以上の調査や家宅捜索を行ったが、その対象になったのは、そのようなテロ予備軍とされる人たちだった。

日本の暴力団に関しては、11年の暴力団排除条例の全国施行によって、暴力団構成員と密接な交際をしている人も金融規制の対象となっている。密接な交際が行われていることがわかった場合、まずは警察から是正命令が出て、それに従わない場合は金融制裁の対象となってしまうわけだ。

また、現在、銀行口座の開設などに関しては、「反社会的な組織および団体とのかかわりがない」という誓約書にサインすることが求められている。その誓約書にサインした上で暴力団などと交際している事実があれば、それだけで詐欺罪で検挙される可能性もあり、実際にそういった事例が多く生まれている。

現在、その対象は暴力団だけだが、今後は極右や極左のような破壊活動や暴力行為を伴う組織にも適用されると思われる。この問題に関しては、一昨年以降、G20(主要20カ国・地域)などによって、国際的なテロのガイドラインを策定する動きが進んでいる。まず、テロリストに指定する国際的な条件を決めて、それに準ずる者、つまり準テロリストに該当する条件も決める。そして、それを国際的に決定された一律の条件として運用しようという動きである。

経済制裁対象者が載る「SDNリスト」とは

アメリカに「SDNリスト」というものがある。これは、経済制裁の対象となる人や国、法人のリストであり、アメリカは同リストに記載されている人や団体との取引を禁じている。SDNリストに載っている経済制裁対象者と取引した場合、その企業や個人、国はアメリカおよびアメリカ企業との取引が禁じられるわけだ。

また、SDNリストは日本の銀行や証券会社でも新規の口座開設などの際の審査に利用されており、リスト掲載者は銀行や証券の口座開設が不可能になっている。現在、日本ではSDNリストに載っている、つまりテロリスト指定を受けているのは指定暴力団だけだが、今後は反基地運動団体など、過激な暴力や威力行為を伴う団体などにも適用される可能性がある。当然、中核派や赤軍派、あるいはオウム真理教など、過去にテロ行為を行った団体も同様である。

アメリカやヨーロッパ各国では、国内法において、武力行為を伴う妨害活動などはテロ行為として認定されている。そして、そうした行為を継続して行っている団体や組織、その構成員はテロリスト扱いされるのだ。日本はこの問題への対処が甘いため、国際社会からの批判を受けているのである。これを受けて、政府としても「テロ三法」を成立させ、「共謀罪」の成立に向けて動き始めた。また、今後、さらに厳格な国際的なガイドラインとG20声明に合わせた対応が求められることになる。

現在行われている、沖縄などでの武力や威力を用いた基地妨害活動などは、国際的にはテロ行為に該当する。言論や政治活動の自由はあるが、威力、暴力や破壊活動の自由はないのである。国際ルールに従えば、このような組織や団体、そして、その構成員をテロ指定するのが義務であるのに、怠ってきたわけである。

しかし、政府としては東京オリンピックに向けてテロ対策を拡充するとしており、国際ルールに合わせた対応を進めるとしているし、世界もそれに向けて動き出しているわけだ。

そして、一旦テロ指定されてしまうと、銀行口座が凍結され、クレジットカードが使用できなくなり、家も借りられず、飛行機にも乗れない人生が待っていることになる。すでに、暴力団関係者にこれが適用されているが、当然、これではまともな日常生活は営めない。これが、極左暴力集団など破壊活動防止法に基づく公安監視対象者にも適用される日は、そう遠くはないのであろう。

(文=渡邉哲也/経済評論家)

参照元 : ビジネスジャーナル


まさに、獸の刻印 6 6 6

政府に刃向かう者は、食べることも、買うことも出来なくなる!

その名は、マイナンバー。