米国の「日本企業いじめ」はここまでひどい! セガ・任天堂に仕掛けられた“特許の陰謀”!
2016.10.11
「パテント・トロール」という言葉をご存知だろうか? トロールは北欧神話に登場する魔物のことで、パテント・トロールは特許をタテに大企業を訴えて巨額の特許料を搾取しようとする魔物のような発明家や企業のことを意味する。
■特許社会の闇「パテント・トロール」
パテント・トロールの事件として有名なのはオーラス(Eolas)という会社がマイクロソフトをはじめとするネット企業をつぎつぎと訴えた事件である。
オーラスはブラウザでプラグインを動かすための技術に関する特許を持っていた。これはオーラスの創業者が1994年にカリフォルニア大学と共同で特許を出願したもので1998年に特許自体は成立している。
この特許はネット上で双方向のやりとりをする際の基本技術で、マイクロソフトは「ActiveX」がその特許を侵害しているとして訴えられ、一時は当時のレートで625億円もの賠償金を支払えという判決がくだることになった。
オーラスはマイクロソフト以外にもアップル、グーグル、アドビといった大企業をつぎつぎと訴えるのだが、そのことで途中で裁判の流れが変わることになる。
インターネットでビジネスをしている企業はすべてインターネットエクスプローラー上のプラグインを想定してビジネスを行っているので、マイクロソフトが敗訴すれば、ほぼすべてのIT企業が訴えられることになるからだ。
そこで世界中のネット企業がマイクロソフトに味方をする流れができる。最終的には特許の共同出願者だったカリフォルニア大学の学生が、1993年以前にプラグインを動かすブラウザを開発していたことと、それをオーラスの創業者に紹介したことを証言する。
アメリカの特許は先発明権でその権利が認められるため、オーラスよりも先に同じものを発明していた学生がいたことがわかった段階で、オーラスの特許は無効になった。
通常はパテント・トロールの訴訟は最初のうちはうまくいくように見えても、周囲が「それは特許に寄生する不当な利得だ」と考えるようになると、社会をあげてそれを反証する動きが出てくるものなのだ。
ただしそれは“アメリカの企業同士”だけに当てはまる話かもしれない。
■日本ゲーム業界を震撼させた「コイル事件」とは?
1990年頃、アメリカのゲーム市場は任天堂とセガの2大日本メーカーに牛耳られていた。日米貿易摩擦が激しかった当時に、ゲームという成長企業をのっとられた形のアメリカ社会は、日本のゲームメーカーのことをさぞかし苦々しく思っていたことだろう。
その時期にアメリカ人のジャン・コイル氏という個人発明家が任天堂とセガに対して「自分はテレビゲームの根本的な特許を持っている」と主張した。
コイル氏の特許は機械にマイクから音をとり込むと、その信号を画像信号に変換してカラーテレビの画面に色が揺れて表示されるというものだった。当初はそれをインテリアに使うという意図でコイル氏は特許を取得している。
テレビゲームとは一切関係のない技術であることは明白だったが、賢い任天堂は少ない額の和解金を支払ってコイル氏をやりすごす。ところがセガは裁判を受けて立つことにした。
裁判の展開は意外なことになった。コイル氏の陣営は、特許は「音声信号の入力に応じて画像を出力するものすべてに適応される基本特許だ」と主張した。ゲーム機でコンピュータに入力する信号は音声信号の周波数領域だったため、そのような主張が通れば、確かにゲーム機は「音声信号を入力してテレビ画面にそれを変換した画像を映す装置」と言えなくもない。
一般人にはわかりにくい技術的な点についての弁護士同士の応酬が続いた結果、陪審員はコイル氏の特許を認める評決を出し、結果としてセガはコイル氏に当時のレートで57億円もの賠償金を支払うことになった。
「信号を入力したらそれに応じた信号が画面に入力される」。これが特許ならパソコンも同じ構造である。しかし賢明なコイル氏はオーラスとは違い、アメリカのパソコンメーカーを訴えることなく、日本企業を訴え、そこで得た57億円だけで満足したようだ。
(文=王山覚/グローバルコンサルティングファームに勤務するビジネスウォッチャー)
参照元 : TOCANA
2016.10.11
「パテント・トロール」という言葉をご存知だろうか? トロールは北欧神話に登場する魔物のことで、パテント・トロールは特許をタテに大企業を訴えて巨額の特許料を搾取しようとする魔物のような発明家や企業のことを意味する。
■特許社会の闇「パテント・トロール」
パテント・トロールの事件として有名なのはオーラス(Eolas)という会社がマイクロソフトをはじめとするネット企業をつぎつぎと訴えた事件である。
オーラスはブラウザでプラグインを動かすための技術に関する特許を持っていた。これはオーラスの創業者が1994年にカリフォルニア大学と共同で特許を出願したもので1998年に特許自体は成立している。
この特許はネット上で双方向のやりとりをする際の基本技術で、マイクロソフトは「ActiveX」がその特許を侵害しているとして訴えられ、一時は当時のレートで625億円もの賠償金を支払えという判決がくだることになった。
オーラスはマイクロソフト以外にもアップル、グーグル、アドビといった大企業をつぎつぎと訴えるのだが、そのことで途中で裁判の流れが変わることになる。
インターネットでビジネスをしている企業はすべてインターネットエクスプローラー上のプラグインを想定してビジネスを行っているので、マイクロソフトが敗訴すれば、ほぼすべてのIT企業が訴えられることになるからだ。
そこで世界中のネット企業がマイクロソフトに味方をする流れができる。最終的には特許の共同出願者だったカリフォルニア大学の学生が、1993年以前にプラグインを動かすブラウザを開発していたことと、それをオーラスの創業者に紹介したことを証言する。
アメリカの特許は先発明権でその権利が認められるため、オーラスよりも先に同じものを発明していた学生がいたことがわかった段階で、オーラスの特許は無効になった。
通常はパテント・トロールの訴訟は最初のうちはうまくいくように見えても、周囲が「それは特許に寄生する不当な利得だ」と考えるようになると、社会をあげてそれを反証する動きが出てくるものなのだ。
ただしそれは“アメリカの企業同士”だけに当てはまる話かもしれない。
■日本ゲーム業界を震撼させた「コイル事件」とは?
1990年頃、アメリカのゲーム市場は任天堂とセガの2大日本メーカーに牛耳られていた。日米貿易摩擦が激しかった当時に、ゲームという成長企業をのっとられた形のアメリカ社会は、日本のゲームメーカーのことをさぞかし苦々しく思っていたことだろう。
その時期にアメリカ人のジャン・コイル氏という個人発明家が任天堂とセガに対して「自分はテレビゲームの根本的な特許を持っている」と主張した。
コイル氏の特許は機械にマイクから音をとり込むと、その信号を画像信号に変換してカラーテレビの画面に色が揺れて表示されるというものだった。当初はそれをインテリアに使うという意図でコイル氏は特許を取得している。
テレビゲームとは一切関係のない技術であることは明白だったが、賢い任天堂は少ない額の和解金を支払ってコイル氏をやりすごす。ところがセガは裁判を受けて立つことにした。
裁判の展開は意外なことになった。コイル氏の陣営は、特許は「音声信号の入力に応じて画像を出力するものすべてに適応される基本特許だ」と主張した。ゲーム機でコンピュータに入力する信号は音声信号の周波数領域だったため、そのような主張が通れば、確かにゲーム機は「音声信号を入力してテレビ画面にそれを変換した画像を映す装置」と言えなくもない。
一般人にはわかりにくい技術的な点についての弁護士同士の応酬が続いた結果、陪審員はコイル氏の特許を認める評決を出し、結果としてセガはコイル氏に当時のレートで57億円もの賠償金を支払うことになった。
「信号を入力したらそれに応じた信号が画面に入力される」。これが特許ならパソコンも同じ構造である。しかし賢明なコイル氏はオーラスとは違い、アメリカのパソコンメーカーを訴えることなく、日本企業を訴え、そこで得た57億円だけで満足したようだ。
(文=王山覚/グローバルコンサルティングファームに勤務するビジネスウォッチャー)
参照元 : TOCANA
特許裁判はエジソンっていう偉大な先駆者がいるからね、しょうがないね
— T.AOI (@chikuwanosuke) 2016年10月12日
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私は親韓じゃないけど、サムスンのスマホ発火も米がしかけた陰謀だと思うわ。米は「自己都合判決ばかりの訴訟大国」
— レッティーヌ@霊夢大好き同盟 (@rettenu) 2016年10月12日
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向こうは日常茶飯事だからこう言うことに対して自然と賢くなるよね…。
— Sin (@Sin00Radio) 2016年10月11日
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