ねじれ解消が招いた「増税独裁」

2013年9月13日
 
2012-12-09-abe

何のための国民負担か

安倍首相が増税の方針を固めたらしい。来年4月から、消費税率は3%引き上げられ、8%となる。4―6月期のGDP成長率が年率換算で名目3.7%増、実質3.8%増に改定され、引き上げの目安とされる名目3%増、実質2%増をクリア。増税の環境は整ったと判断したそうだ。

予定されていたこととはいえ、現実になればズシリと重い。そこで政府は、引き上げと同時に、5兆円の経済対策を実施する考えだ。3%引き上げて、2%相当分を返還する。急激な負担増に配慮することで、増税をスムーズに実施しようとの考えらしい。

それはそれでもっともらしい説明だし、「なるほど」と思ってしまうかもしれないが、問題は中身である。何をもって経済対策とするか、だ。

以前から安倍首相は、投資減税の実施を公言している。「秋には成長戦略の第2弾に取り組む」「思い切った投資減税を決める」などと話してきた。並々ならぬ思い入れがあるようだ。とにかく何としても企業活動を掘り起こしたいのだろう。その考えは否定されるものではない。

だが、これまでも指摘しているが、企業の投資が伸びないのは、カネとは別の問題だ。日本銀行の資金循環統計によると、企業が保有する現金・預金残高は今年3月末で225兆円と過去最高に膨らんでいる。資金は潤沢にあるのだ。しかも、この金利である。借金による負担は以前よりも軽い。減税すれば投資しようという企業は、はたしてどれくらいあるのだろうか。

海外への移転を食い止めるため、法人税の実効税率引き下げも検討されているようだ。これも効果は未知数である。法人税が安くなれば、企業は国内に踏みとどまり、海外からも帰ってくるのか。企業がグローバル化を進めるのは、税金だけが理由ではない。

仮に、これらの減税策が有効だとしても、消費増税とセットの景気対策に盛り込むのは、筋が違う。消費税を負担するのは消費者=国民一般である。給与は減り、雇用も不安定な状況に押し込まれている人たちだ。そこから召し上げたカネを企業にせっせと回すのである。こんなやり方が許されるわけがない。

与野党が拮抗していた時代なら、国会は大騒ぎになったはずだ。やはり、ねじれ解消の弊害は大きい。安倍政権は独裁を強め、国民の暮らしは厳しい状況に追い込まれていくのである。【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】

参照元 : 日刊ゲンダイ
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