マクドナルドでホームレスに食事を奢った男性、2人とも店から追い出される(米)

2018/3/19 21:06

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このほどアメリカでホームレスに食事をご馳走した男性に対して、マクドナルドの振舞いがあまりにも心無いとして人々の怒りを買っている。住む家もなく空腹で辛い思いをしたホームレスに手を差し伸べる者もいれば邪険に扱う者もいるが、今回その両者のやり取りを撮影した動画が物議を醸している。米メディア『New York Post』『Fox News』などが伝えた。

米サウスカロライナ州マートルビーチのマクドナルドでヨッシ・ガロさん(Yossi Gallo)が食事をしようとマクドナルドに立ち寄ったところ、一人のホームレス男性に気付いた。彼に「お腹は空いてますか?」と声をかけたところ「Yes」の返事だったため、ヨッシさんはホームレス男性をマクドナルドに招き入れ、自分の分と彼の分の食事代を支払った。

その時、レジの女性がホームレス男性に向かって「あなたは食べ物を購入してないわよね」と言い放った。そして2人が店内で食事を取ろうとした矢先、女性警察官がやってきてホームレス男性に近寄り、店内から出ていくように警告したのだ。

ヨッシさんはホームレス男性から少し離れたテーブル席で食事をとっていたが、この信じがたい状況をスマートフォンで動画撮影することにした。

目の前で起きていることにヨッシさんは怒りと驚きを隠せなかったようで、動画ではホームレス男性を擁護する声が少し荒らげている。

「君達は最低だな! その男は何か恵んでくれと言った訳でもない! 私が彼をここに連れてきたんだ。」

しかしヨッシさんの訴えに対して、マクドナルドのマネージャーらしき人物が「落ち着いてください。頼むから静かにしてください」となだめようとするだけで彼の話を聞く様子は見られなかった。ヨッシさんは「私の声は普段から大きいんだよ! これに問題があるなら警察が逮捕するだろうに!」と返した。

その後、無情にも女性警察官はヨッシさんにまで退去を命じたため、2人は食べかけの食事を持って店を出て行くしかなかったという。

マートルビーチ署のジョーイ・クロスビー警部(Joey Crosby)は、今回の件に関してメディアのインタビューに「駐車場でお金をせがむ男がいるとマクドナルドの従業員から通報があり、店やその周辺へ立ち入りできないように警告して欲しいと依頼があったため警察官を向かわせて対応したまでです」と語っている。

また、この店のオーナーであるジョエル・ペリッチ・ジュニア氏(Joel Pellicci Jr)はこのような声明を出している。

「私の店ではお客様が来店するたび大いに歓迎することをモットーとしています。しかしこのビデオに映っているホームレス男性は秩序を乱すような行動を何度も取っており、店のみならず警察官からも何度も退去を命じられていたのです。」

ヨッシさんは今回の動画をFacebookに投稿し、「時々、こんな世の中に嫌気がさすよ」とコメントした。その動画は再生回数1億回を超え、多くの人が怒りを感じたようだ。「見ていて嫌な気持ちになった」「マクドナルド、なんて低レベルな対応なんだ」といった非難が相次ぎ、一部のユーザーが対応した女性警察官の個人情報を暴露するような過激な投稿も見られた。

ヨッシさんは、ホームレスを拒否したマクドナルドや警察に対して意図的にダメージを与えるつもりは無かったという。そして今回対応した女性警察官に対しても次のように話している。

「彼女は自分の仕事をしたまで。丁寧に対応していたし何も悪いことはしてない。私は彼女に対して怒りはありません。もう中傷はやめて彼女をそっとしておいてもらえますか。」

自分に対して無礼ともとれる態度を取った相手にまで配慮するようなヨッシさんの訴えは、ホームレス男性に手を差し伸べた彼の人柄が垣間見えたとも言えよう。

画像は『New York Post 2018年3月1日付「Homeless man kicked out of McDonald’s after customer buys him food」(Facebook)』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

参照元 : Techinsight