カトリック少年合唱団で性的虐待と暴力被害547人 独 調査報告

2017年07月19日 11:04

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【7月19日 AFP】カトリックの少年合唱団として世界的に有名なドイツ南部バイエルン(Bavarian)州レーゲンスブルク(Regensburg)の少年聖歌隊の寄宿学校で、500人以上の少年が性的・身体的虐待を受けていたとする報告書が18日、弁護士によって発表された。被害者らは「刑務所、地獄、あるいは強制収容所」のようだったと述べており、このようなスキャンダルとしては国内最悪レベルといえる。

2年前にレーゲンスブルク教区から調査を依頼された弁護士のウルリッチ・ウェバー(Ulrich Weber)氏によると、547人に上る被害者の多くは、レーゲンスブルク大聖堂聖歌隊(Regensburger Domspatzen、「大聖堂のスズメたち」の意)学校でのことを「恐怖と暴力、無力感に彩られた人生最悪の時」として記憶している、と証言している。

今回発表されたのは、1945年から1990年代初めにかけてレーゲンスブルク大聖堂聖歌隊で行われていたとされる虐待に関して行った調査をまとめた最終報告書。 調査団を率いたウェバー氏は、この少年聖歌隊学校では虐待阻止の取り組みが十分に行われなかったとして、教会幹部らを批判。その中には前聖歌隊指揮者で前ローマ法王ベネディクト16世(Benedict XVI)の兄、ゲオルク・ラッツィンガー(Georg Ratzinger)氏(93)も含まれている。

ウェバー氏によると、調査により性的虐待67件、その他身体的暴力による虐待500件が判明した。また、両方の虐待の被害者となった少年も複数いたという。当時の合唱団員全員の話を聞くことはできなかったものの、正確な被害者数は約700人に上るのではないかと同氏は述べている。

同氏によると、加害者と疑われる人物として特定された49人は、そのほとんどが教師か教育者だが、虐待が起きたとされるときからかなりの年数が経過しており、刑事責任を問われる可能性は低いという。(c)AFP/Ralf ISERMANN with Frank ZELLER in Berlin

参照元 : AFP BB NEWS

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ローマ法王、児童の性的虐待問題で謝罪

2014.04.12 Sat posted at 16:10 JST

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(CNN) ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は11日、カトリック聖職者による児童らへの性的虐待問題に関連し、「個人的に許しを乞いたい」と謝罪の意を表明した。また、虐待を犯した者は処罰を受けなければならないとも述べた。

バチカン放送局によると、国際的な児童保護運動などを進めるカトリック教の非政府組織(NGO)の代表者に語った。性的虐待問題に関する同法王のこれまでの発言の中で最も強い調子の非難をにじませたものともなっている。

米国に本部がある聖職者による虐待被害者の連絡団体は、法王が虐待の実行者への処罰に触れたのは初めてとみられると指摘。ただ、言葉ではなく今後の行動が必要とも釘を刺した。

フランシスコ法王は、教会は虐待の被害を承知しているとし、この被害は聖職者によってもたされた個人的かつ倫理的なものであると指摘。その上で虐待問題への対処では1歩たりとも後退しないとの決意を示した。

同法王は今年3月、イタリアの地元紙コリエレ・デラ・セラとの会見で性的虐待問題への対応に触れ、「カトリック教会は多分、透明性と責任を持って行動した唯一の公的組織」との考えを表明。

「しかし、攻撃を受けたのは教会だけだった」などと弁護的な発言もし、虐待の被害者らから非難されていた。

国連の委員会は今年2月、カトリック聖職者による児童への性的虐待についての報告書を発表し、この問題に対するバチカンの対応は不十分と批判。教会は犠牲者への配慮より自らの組織防衛を重視していると切って捨てていた。

参照元 : CNN.CO.JP