九州豪雨の犠牲者25人に いまだ孤立続く地区も

2017/07/11 11:45

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九州北部を襲った記録的な大雨で、福岡県で新たに4人の死亡が確認されました。

福岡県朝倉市で10日、心肺停止の状態で見つかった3人の死亡が確認されました。また、8日に有明海で見つかった男女5人の遺体のうち、男性1人を今回の豪雨による死者と認定しました。この豪雨で亡くなった人は、福岡と大分の両県で25人になります。

朝倉市では11日、住宅被害を受けた人を対象に「罹災(りさい)証明書」の発行申請の受け付けを始めました。一方、大分県日田市では小野地区、大鶴地区の120人が孤立していて、226世帯629人に避難指示が出ています。現在、避難所には138世帯283人が身を寄せています。

参照元 : テレ朝ニュース



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九州豪雨もたらした「線状降水帯」 東京ならどこが危険か

2017/7/8(土) 9:26配信

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九州北部を襲った記録的豪雨は死者6人、安否不明者17人を出す大惨事となった。計18万世帯の約43万人に避難指示が出され、中でも福岡県朝倉市では24時間雨量で観測史上最大の544.5ミリの降水量を記録。この豪雨をもたらしたのは、積乱雲が次々と発生する「線状降水帯」だった。停滞した梅雨前線に南から暖かく湿った空気が流れ込んだことで雨雲が発達したという。

気象庁気象研究所の津口裕茂研究官が言う。

「2014年8月の広島土砂災害、15年9月の東日本豪雨も線状降水帯によるものでした。条件次第で関東地方でも線状降水帯が発生します。特に南から暖かい空気が流れ込む9月から10月にかけて発生しやすい。一般の方が天気図や雲行きだけで線状降水帯を見分けることはまず不可能。激しいドシャ降りを見て、“まさか”と思ったら気象ニュースにしっかり耳を傾けましょう」

記録的豪雨に見舞われた福岡県や大分県では、泥水や土砂で家屋や鉄道レールも押し流された。東京を今回の九州豪雨と同クラスの大雨が襲ったらどうなるのか。

「首都水没」(文春新書)の著書がある治水政策のエキスパート・土屋信行氏(リバーフロント研究所理事)に聞いた。

■ドライバーにも危険が

「福岡県で記録した1時間に120ミリ以上の集中豪雨が発生したら、東京は壊滅的被害を受けます。地下鉄入り口の開口部の止水板の多くは役に立ちません。アッという間に構内に水が流れ込むでしょう。特に私が危険とみているのが大江戸線です。月島、勝どき、汐留、六本木、飯田橋などおしゃれな駅が多い路線ですが、東京の地下鉄で最もホームが深い。しかも、利便性を高めるためにいくつもの別路線と接続されています。足立区、江戸川区、墨田区、江東区など海抜ゼロメートル地帯にある地下鉄駅から浸水した水が大江戸線になだれ込む危険があります」

東京駅や上野駅の地下街、JR横須賀線の品川〜錦糸町区間も同じ理由で危険だという。

「地下鉄の乗客だけでなくドライバーも危険です。東京は交差する鉄道や他の道路の下を通過するために周辺よりも低くなっている“アンダーパス”が多く見受けられます。集中豪雨に襲われ、道路に雨水がたまり始めたら、すみやかに車を止めて避難すべきです」(土屋氏)

自分の住んでいる地域や勤務先、通勤経路の「ハザードマップ」を確認して“首都水没”に備えた方がいい。

参照元 : 日刊ゲンダイ


九州豪雨 「早く家族見つけて」

2017/7/8(土) 7:55配信

「周りには『健康に気をつけて。事故に巻き込まれないように』が口癖だったのに。もっと自分のことを心配してほしかった」

近くの川が決壊し、多くの民家が土砂にのみ込まれた福岡県朝倉市の杷木林田地区。被災現場で行方不明になっている坂本ヨリ子さん(89)の三女(61)がうなだれていた。ヨリ子さんだけでなく、一緒に暮らしていた長女、坂本純子さん(67)と夫、行俊さん(79)も連絡が取れなくなっている。

「雨がひどい。逃げよう」。豪雨に襲われた5日夜、同居する行俊さんの息子、貴志さん(45)は3人に呼びかけたが応じてくれなかったという。

一度はそのまま避難したが、心配になって自宅へ。それでも聞き入れてもらえず、3回目の説得に向かったときに川が氾濫。貴志さんは「今思えば引っ張ってでも連れて行けばよかった」と肩を落とす。

ヨリ子さんは旅行が好きで、娘たちと毎年、九州各地を訪ねるのを楽しみにしていた。定期的に白髪を茶色に染めるおしゃれな一面も。家族は「子供や孫のことは心配するくせに自分のことは気にしない性格」と口をそろえる。

行俊さん夫婦も地域で愛されていた。知人男性(41)は「他の地区から引っ越してきた私のことを気にかけて、『なじめたか』と声をかけてくれた。奥さんもおしとやかですてきな人」と話す。

7日も夕方まで消防団員らによる捜索が続いたが発見されなかった。作業を見守っていた家族らは「今回のことは夢であってほしい。早く見つけてもらいたい」と願っていた。


参照元 : 産経新聞


<九州豪雨>有明海に男女4遺体 関連調べる

2017/7/8(土) 13:00配信

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停滞する梅雨前線などの影響で記録的大雨に襲われた福岡、大分両県では8日も、自衛隊や警察などによる安否不明者の捜索が続いた。福岡県朝倉市では新たに1遺体が見つかり、死者数は両県合わせて16人となった。安否不明者は無事が確認されるなどして15人となった。

福岡県によると、午前10時20分ごろ、朝倉市内で流木の中から1人の遺体を見つけた。自衛隊のヘリコプターで搬送して身元や死因などを調べる。さらに朝倉市黒川で7日に見つかった3人の遺体の身元は、いずれも同市一木に住む親子の江藤由香理さん(26)と江藤友哉ちゃん(1)、同市黒川の渕上麗子さん(63)と判明した。由香理さんと友哉ちゃんは7日午前10時ごろ、孤立した集落で救助作業中だった消防隊に発見され、死亡が確認された。渕上さんの遺体は約2時間後にほぼ同じ場所で見つかっており、友哉ちゃんの祖母とみられる。

また、大分県は日田市二串で7日に遺体で見つかった女性は同市の矢野知子さん(70)で、近くで遺体で見つかった矢野英俊さん(79)の妻と発表した。

一方、福岡、佐賀両県の有明海沿岸では8日午前に男女4人の遺体が見つかった。佐賀県警などによると、午前6時40分ごろ、佐賀市東与賀町下古賀の公園から南東約450メートルの海岸近くに遺体が浮いているのを通行中の男性が見つけた。同県鹿島市音成戊の海岸近くでは午前8時10〜40分に2人の遺体を住民が相次いで見つけた。福岡県と佐賀県の県境付近の筑後川河口でも午前6時半ごろ、男性の遺体が見つかった。佐賀県警などは九州北部豪雨で流された遺体の可能性があるとみて身元や死因を調べている。

JR九州によると、鉄橋流失や土砂の流入で止まった久大線うきは−日田▽日田彦山線添田−夜明▽佐世保線肥前山口−早岐の3区間は8日も運転見合わせが続いている他、鹿児島県や熊本県の一部区間も8日朝から雨量が規制値に達して運転を見合わせた。

一方、九州道などで続いていた九州の高速道路の通行止めは8日未明に全て解消した。ライフラインの復旧も進み、福岡、大分両県で最大6400戸だった停電は、8日午前9時現在、1600戸まで縮小した。

気象庁によると、梅雨前線は朝鮮半島から西日本に停滞しており、九州北部地方では9日にかけて局地的に大雨となる恐れがある。記録的な大雨で地盤の緩んでいる地域があり、土砂災害に厳重な警戒をするよう呼びかけている。【蓬田正志、中村敦茂、石井尚】

参照元 : 毎日新聞