埼玉3歳女児死亡 「食事を週5回抜いた」「胸倉つかんで風呂場へ」

2017/5/12(金) 19:22配信

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埼玉県狭山市のマンションで昨年1月、藤本羽月(はづき)ちゃん=当時(3)=が顔にやけどを負って死亡しているのが見つかった事件で、保護責任者遺棄致死や傷害などの罪に問われた無職、大河原優樹被告(26)の裁判員裁判の公判が12日、さいたま地裁(高山光明裁判長)で開かれた。公判では、大河原被告が「食事を週5回抜いた」などと羽月ちゃんへの虐待の様子を明らかにした。やけどを負わせた後、大河原被告の内縁の妻で羽月ちゃんの母親だった藤本彩香被告(24)=保護責任者遺棄致死罪などで起訴=が「(病院に)連れてったら虐待してることバレるじゃん」などと話し、犯行を隠蔽しようとしていたやりとりもつまびらかにされた。

■エスカレートした“食事制限”

被告人質問では、弁護側の質問に対し、大河原被告が羽月ちゃんの“食事制限”について「子供用のお茶碗で半分。おかずも少なくした」と答えた。

藤本被告が以前から食事制限をしていたが、一昨年9月ごろから「これからもっと減らす」「言うこと聞かないと減らす」と言い出したという。食事を抜くこともあり、初めは週2回抜いていたが、エスカレートし、「多いときで5回」になった。羽月ちゃんの死因は、栄養失調による免疫力低下だった。

■「3才 60℃ ヤケド」

弁護側は続いて、羽月ちゃんにやけどを負わせた昨年1月2日の傷害罪の犯行の様子を質問した。

大河原被告の証言では、自宅内で姉とぶつかって泣いていた羽月ちゃんに、藤本被告が「いい加減にしろよ」と言って胸倉を捕んで風呂場へ引きずっていった。

その後、「羽月が叫んでる声が聞こえた」と大河原被告。3分後、藤本被告が1人で戻ってきて、スマートフォンをいじっていたという。

検察側によると、藤本被告のスマホの検索履歴には「3才 60℃ ヤケド」という文字が残されていた。

大河原被告は法廷で当時のやりとりを再現した。

大河原被告「なにしたん?」

藤本被告「え?」

大河原被告「ヤケドしてるけど」

藤本被告「ああ、うん、そうかも、お湯かけたから」

この後、羽月ちゃんには「水を掛けて冷やして風呂場から出して軟膏を塗って包帯を巻いた」(大河原被告)という。

大河原被告「病院連れてったほうが良くない?」

藤本被告「連れてったら虐待してることバレるじゃん」

大河原被告「いや皮むけてるし見せた方がいいんじゃないの?」

結局、2人は羽月ちゃんを病院に連れて行かなかった。

■「何をしても、もうハヅは戻ってこない」

弁護側は「最後にこのような事件を起こしてしまったことについてどう思うか」と質問。大河原被告は「自分が何をしても、もうハヅ(羽月ちゃん)は戻ってこない。今さら何をしても許されることではない。羽月に申し訳ない気持ちでいっぱいです」と答えた。

冒頭陳述などによると、大河原被告は昨年1月2日夕、自宅浴室で羽月ちゃんの後頭部を手で押さえつけ、顔に高温のシャワーをかけ3週間のやけどを負わせた。その後、藤本被告と共謀して治療を受けさせず放置した上、同8日夜、浴室で全裸の羽月ちゃんに冷水をかけ同9日未明まで放置し、敗血症で死亡させたなどとしている。

参照元 : 産経新聞

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