アマゾンで450もの「古代ミステリーサークル」が発見される! 2千年以上前の叡智か?

2017.02.09

昨年NHKスペシャルでも取り上げられ話題になった、南米アマゾンのジャングル奥深くに暮らす、非接触部族“マシコ・ピロ族”。

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■頻繁に出没するようになった”非接触部族”

これまで文明と接触することを拒み続けた彼らは、なぜか2010年ごろから近隣の村々に姿を現し、周辺の部族や住民と接触するようになったという。彼らは時に、攻撃的な態度で村に現れた。周辺部族には、襲撃を受け命を落とした者もいる。しかし、先住民との協働を目指す非営利団体やペルー政府は、彼らとコミュニケーションを取りつつ、双方が安全に暮らせるよう適切な距離感を模索している。

ブラジル、ゲルディ博物館の人類学者グレン・シェパード氏は、「彼らは、身を隠し接触を拒絶することに多大なる努力をしてきた部族です。でも今は、そこから抜け出そうとしている」と語っている。しかしなぜ彼らは、これまで守り続けた方針を変え、進んで“外”の世界と接触するようになったのだろうか。

今のところ、彼らの口からその理由が語られることはないが、いくつかの可能性が推測できる。食糧難や病気、部族間の争いといったマシコ・ピロ族内部に問題が持ち上がっている可能性。或いは、伐採者や違法採掘者らが彼らの領域に侵入し、彼らが生存の危機を感じているという外部的な要因も考えられる。そして、彼らの生活基盤である熱帯雨林が減少しているという事実も見逃せないだろう。

■森林破壊がもたらした思わぬ発見

世界中で毎年1500万haあまりの熱帯雨林が減少しているというが、南米アマゾンの森林破壊はとりわけ深刻だ。2016年末、ブラジル政府が発表したところによると、2016年の1年間で同国内の森林面積は前年より29%も減少したという。驚異的な速度で、アマゾンのジャングルは縮小の一途を辿っている。マシコ・ピロ族が、拒み続けた“外”の世界に出て行かざるを得なくなった背景には、我々”外”の世界が作り出した環境問題が横たわっていると考えられるのだ。他にも様々な影響を引き起こすことが懸念される、アマゾンにおける深刻な森林破壊であるが、思わぬ発見ももたらしたようだ。

何千年もの間、地面を覆っていた森林が消え去ると、はるか昔この地で暮らしていた狩猟採集民がつけたと見られる不思議な跡が、地上絵のように浮かび上がってきたというのだ。さらに、この遺跡を調査した結果、彼らは我々がイメージする狩猟採集民とはまるで違う生活を営んでいた可能性が浮上してきたという。2月6日付の科学系ウェブサイト「PHYS ORG」が伝えている。

■姿を現した450もの謎の“溝”……

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ブラジル北西部に位置するアクレ州西部では、近年熱帯雨林が減少し、至る所で地面が露出してしまった。すると、周囲を取り囲むように、地面に掘られた“溝”の存在が明らかになったのだ。円形や丸みを帯びた四角形など形は様々だが、同地ではこうした“溝”の跡が、これまで450以上も確認されている。“溝”に囲まれた土地の総面積は、おおよそ13,000平方kmにも及ぶという。その規模の大きさから、この“溝”を作ったと考えられる今から2000年以上前にこの地で暮らしていた人々にとって、重要な意味を持っていたことが推測できる。

ミステリーサークルのような、この謎めいた“溝”の調査を実施したのは、英エクセター大学で博士号を取得した、サンパウロ大学の考古学・人類学博物館の研究者ジェニファー・ワトリング博士を中心とする研究チーム。彼らがこの“囲われた土地”を発掘したところ、不思議なことに遺物はほとんど出てこなかった。そのため、生活を営む村や集落であった可能性は考えにくいという。

場所によっては、厳重にも二重に土地を囲っている“溝”であるが、防衛目的で掘られた訳ではなさそうなのだ。生活感がまるでないこの場所には、宗教的な施設があったのではないか、と研究チームは考えている。宗教施設が450以上も集中するこの地は、儀礼などを行う古代の聖地だった可能性が高そうだが、今回の発見はさらに重要な事実を示唆しているという……。

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■彼らは開拓していた……!?

これまで、鬱蒼と生い茂るアマゾンの熱帯雨林は、(開発が進む近代に至るまで)手付かずの原生林だと考えられていた。しかし先住民たちは、ジャングルの恩恵をただ享受するだけでなく、積極的に自然を変容させていた可能性が浮上してきた。それというのも、“溝”が掘られた時代、この地が熱帯雨林に覆われていたなら、今回発見された無数の“溝”は、森林を切り開いた後に掘られた可能性が考えられるのだ。

研究チームはこれを裏付けるため、“溝”に囲まれた2つの土地を対象に、過去6000年の植生、そして火がいかに使用されていたかを明らかにしようと考えた。土壌サンプルを取り出し、シリカ(ケイ素)が含まれる微小植物化石を分析。その結果、先住民たちは何千年にもわたり、火を使って竹林を大々的に変容させていたことが判明。やはり“溝”は、一時的に開拓された土地に掘られていたのだ!

さらに先住民たちは、自分たちにとって経済的価値の高いヤシなどの木を集中的に植えることによっても、周囲の森林環境を変え、豊かな暮らしを送っていたという。2000年以上前、熱帯雨林に覆われたこの地域は、さながら「先史時代のスーパーマーケット」の様相を呈していたというのだ。それはもはや、“採集”ではなく長期的な計画に基く“栽培”であり、農業なのではないか?

縄文時代前〜中期の大規模集落跡、三内丸山遺跡では、野生種とのDNA比較によりクリが人為的に栽培されていた可能性が指摘されている。本格的な農耕が伝わるはるか以前に森林で生きていた人々は、その恩恵を最大限に引き出すために創意工夫をこらし、自然に手を加える知恵を持っていたのかもしれない。それは近年、より深刻化している森林破壊とはまるで違う手の加え方であると、ワトリング博士は強調する。

破壊するのではなく、「より持続性のある、効率的な土地利用を目指す古代の素朴な知恵」に我々が学ぶところは多そうだ。しかし、その知恵が明らかになったのが、歯止めが効かない森林破壊の結果というのはなんと皮肉なことか。

(坂井学)

参考:「PHYS ORG」、「EXPRESS」、「NATIONAL GEOGRAPHIC 日本版」、ほか

参照元 : TOCANA


STONEHENGE SHOCK: Hundreds of strange monuments found in the AMAZON RAINFOREST

HUNDREDS of ancient ‘earthworks’ similar to that found at England’s Stonehenge have been discovered in the Amazon, proving for the first time that some of the first settlers in Brazil cleared large swaths of the rainforest.

By SEAN MARTIN
PUBLISHED: 12:39, Tue, Feb 7, 2017 | UPDATED: 15:52, Tue, Feb 7, 2017

Many believed large scale deforestation was a relatively new concept, exacerbated by the industrial revolution at the end of the 1800s and beginning of the 1900s.

But the discovery of earthworks that are roughly 2,000 years old in the Amazon proves that deforestation has been around since the year zero.

While the regrowth of trees had blocked the trees for centuries, recent deforestation has allowed some 450 earthworks, known as geoglyphs, to reemerge, discovered by scientists from the UK and Brazil flying drones over the areas.

The scientists behind the discovery are unsure what purpose the geoglyphs, which are spread out over a 13,000 kilometre squared region serve, but feel that they were probably used for rituals or religion.

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Jennifer Watling, a post-doctoral researcher at the Museum of Archaeology and Ethnography, University of Sao Paulo, although she carried out during her time at the University of Exeter, said: "The fact that these sites lay hidden for centuries beneath mature rainforest really challenges the idea that Amazonian forests are 'pristine ecosystems`.

"We immediately wanted to know whether the region was already forested when the geoglyphs were built, and to what extent people impacted the landscape to build these earthworks."

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However, she warned: “Our evidence that Amazonian forests have been managed by indigenous peoples long before European Contact should not be cited as justification for the destructive, unsustainable land-use practiced today.

“It should instead serve to highlight the ingenuity of past subsistence regimes that did not lead to forest degradation, and the importance of indigenous knowledge for finding more sustainable land-use alternatives.”

参照元 : express