トルコ警官、ロシア大使を暗殺 美術館でスピーチ中に銃撃

2016.12.20 Tue posted at 10:12 JST

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(CNN) トルコの首都アンカラの美術館で19日、ロシアの駐トルコ大使アンドレイ・カルロフ氏が警官に銃撃されて死亡した。この瞬間をとらえた映像も出回っている。ロシア外務省はこの事件を「テロ攻撃」と形容。両国とも、関係改善を目指す取り組みに影響が及ぶことはないとの認識で一致した。

カルロフ大使はアンカラ市内の現代美術館で行われた写真展の開幕式でスピーチしていたところを警官に銃撃された。現場をとらえた写真には、床に倒れた男性とスーツ姿でピストルを構える男が映っている。

ソーシャルメディアに出回った映像の中で、銃撃した男は「アラー・アクバル(神は偉大なり)。アレッポを忘れるな。シリアを忘れるな」と叫んでいた。シリアの要衝アレッポは、反体制派が約4年にわたって東部地域を支配していたが、アサド政権がロシアの助けを借りて奪還していた。

男は銃を振りかざしながらトルコ語で「死のみが私をここから排除できる。この抑圧に加わった者全員が1人ずつその代償を負う」と叫び続けた。

トルコ内相によると、カルロフ大使を銃撃したのはトルコのアイドゥン県出身の1994年生まれの警官。銃撃犯は無力化されたと国営アナトリア通信は伝えているが、その場で死亡したのか警察に拘束されたのかは現時点で分かっていない。

事件翌日の20日にはアレッポへの対応を協議するため、モスクワでトルコとイラン、ロシアの会談が予定されている。

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ロシアのプーチン大統領はテレビ演説で大使の射殺について、「ロシアとトルコの関係正常化を妨害し、ロシアとトルコ、イランなどの各国が後押しするシリア和平プロセスを妨害することを狙った明らかな挑発」だと述べ、外交施設の警備を強化すると表明。「この殺人に対して我々が取るべき唯一の対応はテロとの戦いを強化することだ」と語った。

トルコのエルドアン大統領も同日、テレビを通じて「トルコとロシアの関係正常化を妨害しようとする挑発」との見方を示し、「この攻撃で彼らが達成しようとした期待は全て無駄に終わり、決して実現しない」と強調した。 ロシアのスプートニク通信は、プーチン大統領とエルドアン大統領が事件を受けて電話で会談し、対応を協議したと伝えている。

ロシアの外務相報道官は、トルコ政府が徹底捜査を約束したと述べ、「殺人者は罰せられる。テロリズムは続かない。我々はテロと戦う」と表明。トルコ外務相もこの事件を「最も醜悪で野蛮なテロリズムの姿」と形容し、ロシアなどの同盟国と連携してテロと戦うと宣言した。

両国は、2015年にトルコ軍がロシアの戦闘機をシリア国境付近で撃墜した事件で悪化した関係を改善する途上にある。トルコ外務相は19日の声明で、トルコとロシアの友好関係に今回の事件が影を落とすことはないと強調した。

参照元 : CNN.CO.JP


【閲覧注意】駐トルコ・ロシア大使暗殺の瞬間を捉えた衝撃映像が流出! 「サラエボ事件」と酷似で第三次世界大戦勃発→世界滅亡か?

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今月19日夜、トルコの首都アンカラの美術館で開催された写真展にて、同国に駐在するロシア大使アンドレイ・カルロフ氏がスピーチをしていたところ、警官に銃撃されて死亡するという暗殺事件が発生した。現在、その衝撃的瞬間を捉えた映像が海外ソーシャルメディアで出回り、各国に戦慄が走っている。まず、大手メディアでは決して報じられない、銃弾に倒れるロシア大使の姿をご覧いただこう。



マイクの前に立った大使が口を開こうとした、まさにその時のことだった。突如、けたたましい銃声が連続して鳴り響く――と同時に大使は苦痛に顔を歪め、仰向けに倒れてしまう。映像から大使がどの部位を撃たれたのか判別することはできないが、そのままピクリとも動かない姿から、恐らく即死だったのではないかと推測される。傍らには、銃を振りかざしながら興奮した様子で「アラー・アクバル(神は偉大なり)。アレッポを忘れるな。シリアを忘れるな」などと叫ぶ犯人の姿が。間もなく駆けつけた警察部隊と交戦の末、この男は現場で射殺されたという。

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■犯人の目的は?

トルコとロシアの捜査当局は、すぐさま事件を「テロ」と断定。ロシアのプーチン大統領も厳しく非難するとともに「シリアにおける和平プロセスの妨害を狙った」との見方を示している。そもそもシリア情勢をめぐり、ロシアはアサド政権側、そしてトルコは反政府勢力を支援するなど、対立してきた経緯がある。

そして昨年11月、トルコ軍がロシア戦闘機を領空侵犯の言い分のもとで撃墜して以降、両国間は“戦争の一歩手前”と呼ばれるほどに緊張が高まっていた。しかし今年、トルコでクーデター未遂事件が発生する直前という不可解なタイミングで、同国のエルドアン大統領がプーチン大統領に謝罪。

関係は瞬く間に改善していったものの、国内では急速な舵取りの変化に反発する者もいたということだろう。今回の暗殺は、まさにトルコとロシアの“奇妙な”関係強化に打撃をもたらす大事件といえる。

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■第三次世界大戦に発展する恐れも!?

歴史を紐解いてみると、第一次世界大戦は、オーストリア=ハンガリー帝国の皇太子がボスニアの青年に暗殺された「サラエボ事件」が引き金になった経緯がある。また、日本でも1891年に来日したロシア帝国皇太子が警察官に斬りつけられたことにより、武力報復されかねない事態に発展した「大津事件」がある。つまり、他国の要人を暗殺することは宣戦布告にも等しい行為であり、それを境に大きく世界史が動くという事態も十分に考えられるのだ。

今回の事件を契機にトルコとロシアの関係が再び悪化し、シリアの和平プロセスが破綻、そして「イスラム国」が息を吹き返すとともに世界にテロが拡散し、第三次世界大戦へ。ついに核兵器が使用され、人類滅亡――という最悪のシナリオは決して絵空事ではないのだ。

現在、エルドアン大統領の娘婿が「イスラム国」の資金源である石油密輸に関与している疑惑が取り沙汰されるなど、何やらきな臭い話題が絶えないトルコではあるが、トルコとロシアの両国、そして国際社会には、テロに決して屈しないという姿勢と、互いの利害関係を超えた冷静かつ慎重な対応が求められていることは指摘するまでもない。

(編集部)

参考:「arabi21.com」、「NHK NEWS WEB」、「CNN.co.jp」、ほか

参照元 : TOCANA


違うカメラアングルの映像。犯人は背後から撃っていた。肝心なところでカメラマンが逃げて上手く映ってない。

New video of Russian ambassador shot dead