未だ解明されない謎の“縄文人タトゥー”を現代に蘇らせるプロジェクトが美しすぎてカッコイイ!

2016.09.26

『縄文族 JOMON TRIBE』とは、タトゥーアーティストの大島托とフォトグラファーのケロッピー前田によるアートプロジェクトである。

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大島托は、黒一色の文様を刻むトライバル・タトゥーおよびブラックワークを専門するアーティストとして、世界各地に残る民族タトゥーを現地に赴いてリサーチ、現代的なタトゥーデザインに取り入れて高く評価されている。

私、ケロッピー前田は、90年代半ばから伝説の雑誌『BURST』などで世界のアンダーグラウンド・カルチャーをレポート、現在もそのドキュメントを続けているフォト・ジャーナリストであり、近年はアーティスト&キュレーターとして国内外での作品展示を行ってきた。

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「縄文時代にタトゥーはあったか?」そんないまだに答えの出ない太古の謎に、私たちは実際に現代人の身体にタトゥーを彫り込むことで実践的に返答しようと試みている。

ちなみに、縄文時代とは、縄目によって編み出される文様を特徴とする土器を作っていたことから生まれた時代区分で、今から1万5千年以上前から約2300年前(紀元前3世紀)まで続いたとされている。太古の日本にタトゥーはあったのかどうかは、以前からもたびたび議論されてきた。

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たとえば、1969年に考古学者の高山純は『縄文人の入墨』を著し、縄文時代の土偶にみられる文様はタトゥーではないかと指摘して話題となった。また縄文時代とタトゥーが関連づけられるもともとの根拠となったのは、『魏志倭人伝』に日本人が文身(タトゥー)をしていた記述があることによる。それでも確かな物証となるミイラなどが発見されていないことから縄文タトゥーは学術的には結論が出ないものとされてきたのであった。

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ところが近年、アカデミックな世界でもタトゥーを通して人類史を読み解こうという動きが顕著に現れ始めている。2014年から2015年にかけての1年半、フランス・パリのケ・ブランリ美術館で、人類史上最大規模といわれる巨大タトゥー展『TATOUEURS, TATOUES(彫師たちと彫られたもの)』が開催され大きな反響を呼んだ。その模様は拙著『クレイジートリップ』でもレポートしているが、この展示はのちにカナダ・トロントに巡回し、さらにアメリカでも開催されることが決まっている。日本では信じられないことかもしれないが、欧米ではタトゥーは人類に共通する歴史のあるカルチャーとして認識されている。

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そのことには、1991年にアルプスで発見された世界最古のミイラ「アイスマン」が身体にタトゥーを施していたことも大きく影響している。アイスマンは約5300年前のミイラといわれているが、その発見によって、タトゥーはそれ以前のもっとずっと古い時代から人類とともにあったのだと考えられるようになったのである。

そして、日本において、豊かな文様文化を残す縄文時代にあって、もしタトゥーを彫る技術がすでに存在したなら、それらの縄文文様は人の身体にも彫られたであろう。そんなアイデアが、今回の縄文タトゥーリバイバルプロジェクトにおける多彩なタトゥー作品を生み出す原動力にもなっている。

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『モダン・プリミティブズ』とは1989年に出版され、70〜80年代にアメリカ西海岸を中心に急成長したタトゥーやピアスのカルチャーを総覧的にまとめた本のタイトルである。その本は、それらの身体改造行為を現代におけるプリミティブ(原始的あるいは野蛮な)行為の復興であるとアピールしたことで、幅広い関心をひき、タトゥーやピアスの世界的な流行のきっかけとなっていく。このことは前述のタトゥーを施したミイラ「アイスマン」発見の衝撃と相まって、タトゥーなどの身体の改造こそが「最も人間的な行為」として、21世紀のコンピューター時代に蘇り、新たな地球規模のカルチャーとして発展していくとされたのである。

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そのことから、私たちは『縄文族』を日本における「モダン・プリミティブズ(現代の原始人)」の実践として、21世紀に見合った身体のアップデートを縄文文様のパワーを借りて行ってみようと思ったのである。そして、『縄文族』は、過去の縄文文化の復興であると同時に、未来に開かれたボディアートの可能性を追求していこうというものなのである。さらには、素晴らしい伝統刺青を残す日本において、太古に失われたタトゥー文化があったとするならば、ぜひともそれを復興して欲しいという世界的な要望が高まっているのも事実である。

約一万年前の文様から創造する縄文タトゥーの世界。そこに映し出されるビジョンは単に過去を再現するということに留まらず、現代人の身体を用いて、縄文文様をさらに未来の一万年後にまで届けようという野心的な挑戦なのである。

ぜひ、縄文タトゥーが蘇る現場に立ち会って欲しい!!

(文=ケロッピー前田)

■作家プロフィール

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ケロッピー前田・keroppymaeda.com 1965年東京生まれ、千葉大学工学部卒、白夜書房(コアマガジン)を経てフリーランスに。世界のアンダーグラウンドカルチャーを現場レポート、若者向けカルチャー誌『ブブカ』『バースト』『タトゥー・バースト』(ともに白夜書房/コアマガジン)などで活躍し、海外の身体改造の最前線を日本に紹介してきた。前田亮一『今を生き抜くための70年代オカルト』(光文社新書)が話題に。新刊『クレイジートリップ』(三才ブックス)。05年以来、写真家、アーティスト、キュレーターとして国内外で作品展示を行う。14年より学校形式のアートイベント「オキュパイ・スクール」を主宰。NPOヒューマンビーイングクラブ理事。『CRAZY TRIP 〜今を生き抜くための“最果て”世界の旅〜』

大島 托・www.apocaript.com 1993年に世界一周の夢を抱き、最初に訪れたインドでタトゥーと出会い、その後にプロの彫師となる。黒一色の文様を刻むトライバル・タトゥーおよびブラックワークを専門とし、世界各地に残る民族タトゥーを現地に赴いてリサーチし、現代的なタトゥーデザインに取り入れている。

■展覧会info
大島 托 × ケロッピー前田
『縄文族 JOMON TRIBE』
2016年9月16日(金)〜9月27日(火)
TAV GALLERY
東京都杉並区阿佐谷北1-31-2
03-3330-6881
13:00〜20:00
大島托 × ケロッピー前田「縄文族 JOMON TRIBE」[ 9/16 (fri) – 9/27 (tue) ]

9月27日(火)18:00 – 20:00 アーティスト&ゲストトーク:(1000円ワンドリンク)
大島 托、ケロッピー前田 ゲスト:ヴェルナー・ロルケ(写真家、HfGオッフェンバッハ・アム・マイン校教授、フランクフルトRMZギャラリー主宰)、ジョン・スカットリン(博士号取得候補者、香港中文大学大学院日本研究学科)、川崎美穂(TATTOO BURST元編集長

■展覧会ステートメント
『縄文族』とは、タトゥーアーティストの大島托とフォトグラファーのケロッピー前田によるアートプロジェクトである。このプロジェクトは縄文の文様を抽出し、現代的なタトゥーデザインとして身体に刻むことで、人類の原始的な精神が、21世紀を生き抜くためのアイデンティティとなり得ることを示している。そして、これは日本における「モダン・プリミティブズ(現代の原始人)」の実践である。

参照元 : TOCANA


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