高速道路で工事中の橋桁落下 10人けが 神戸

2016年4月22日 18時06分

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22日午後4時半ごろ、神戸市北区の新名神高速道路で、工事中のおよそ120メートルの橋桁の片側が下を走る国道に落下しました。消防によりますとこれまでに10人がけがをし、このうち6人が重傷で、6人はいずれも現場の作業員とみられるということです。

神戸市消防局によりますと、22日午後4時半ごろ、神戸市北区の新名神高速道路で工事中の長さおよそ120メートルの橋桁の片側がおよそ20メートル下の国道176号線に落下しました。この事故でこれまでに10人がけがをし、このうち6人が重傷で、6人はいずれも現場の作業員とみられるということです。

この橋桁は有馬川と国道176号線を東西にまたいで建設されていて、橋の西側が国道上に落下しています。けがをした10人は川の両側でそれぞれ5人ずつ見つかったということです。道路を管理するネクスコ西日本によりますと、国道などで巻き込まれた車はいないということです。

ネクスコ西日本によりますと、落下した橋は工事中の新名神高速道路の全長およそ500メートルの有馬川橋で、橋脚と橋脚の間に鋼鉄製の橋桁を取りつける工事をしていたところ突然、落下したということです。警察が引き続き巻き込まれた車がないかなど、現場周辺を通行止めにして確認を急いでいます。

「ゴーッという音」「すごい爆裂音」
事故現場の近くにある事務所に勤める男性は「ゴーッというすごい音が聞こえたので外に出てみると、10メートル以上の高さにある高速道路が傾き、一部が下の道路に落ちていました。下敷きになった人がいるかどうかなどの状況は分かりませんが、消防車や救急車がたくさん到着し混乱しているように見えます」と話していました。

事故現場の近くに住む68歳の男性は、工事中の高速道路の下を車で100メートルほど通過した後、信号待ちをしているときにバックミラーで橋桁が崩れていくのを目撃したということです。男性は「ズドドドッというものすごい爆裂音とともに、100メートル近くあると思われる橋桁が西側から崩れていく様子が見えました。車は下敷きになっていないとみられますが工事関係者が巻き込まれたようです。少しの差で自分が下敷きになっていたかもしれないと思うとぞっとします」と話していました。

過去の橋桁落下事故
過去に国内で起きた大規模な橋桁の落下事故としては、25年前の平成3年3月14日に広島市安佐南区の新交通システム、アストラムラインの建設現場で15人が死亡した事故があります。

この事故では、重さおよそ60トンの橋桁が、およそ10メートル下の道路に落下し、信号待ちの車などを押しつぶして車に乗っていた人や作業員など合わせて15人が死亡、8人がけがをしました。事故の原因について裁判では、橋桁を支えていたジャッキの位置が適切でなかったために重さに耐えられずに倒れ、橋桁が落下したとされました。さらに、橋桁と橋脚をワイヤーでつなぐなどの落下防止の対策がとられないなど安全管理も不適切だったと指摘されています。

参照元 : NHKニュース