エドワード・スノーデン氏「史上最大のリークだ」。世界の大富豪たちの金融取引を記した「パナマ文書」が流出

2016.04.05 17:55

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世界が持ち切り。

パナマにある、Mossack Fonsecaという法律事務所。租税回避地、いわゆるタックスヘイブンへの法人設立代行において、世界で4番目の大きさを誇るこちらの事務所から、先日、とんでもない情報がリークされました。

内容は、世界中の著名人たちが、主にタックスヘイブンにてどのように資産監理していたかを示すもの。名を連ねているのは、政治家や経済人、著名スポーツ選手など、いわゆる「世界トップの大金持ち」たちです。

あのスノーデン氏をして「データジャーナリズム史上最大のリーク」と言わしめた今回のリーク。そのデータ容量は2.6TB、ファイル数は1150万件にも及ぶとのこと。これは、ジュリアン・アサンジ氏によって設立されたウィキリークスが2010年に報じた、アメリカ外交公電流出事件、それにエドワード・スノーデン氏によって2013年に告発された、アメリカ国家安全保障局 (NSA) による個人情報収集の手口より、はるかに多いデータ量となります。


実はこちらの問題は、世界中の100を超すメディア、370人以上の記者によって去年から追いかけられていました。それが、イギリスのガーディアン紙と、ドイツのSuddeutsche Zeitung紙によって遂に告発される事態となったのです。

データの膨大さから、まだ解析途中となっていますが、ガーディアン紙によると、少なくとも現時点で以下のことがわかっています。

・ロシアのプーチン大統領、及び彼に近しい人とオフショア投資家との20億ドル(約2200億円)の取引

・アイスランドのグンロイグソン首相が、秘密裏にオフショア企業を保有している

・FIFA倫理委員会のメンバーが、予想されていた以上に汚職にまみれていた実態

もちろん、タックスヘイブンに資産を所有していたからといって、違法になるわけではありません。今回リークされた情報も、そのほとんどが合法的な取引だとのことです。

ただ、タックスヘイブンが脱税やマネーロンダリングに利用されることが多いのもまた事実。今回、このような形で「世界の大富豪のお金の使い方」がリークされてしまった以上、これからさまざまな続報が出てくることは間違いなさそうですね。

image by Matthew Straubmuller on Flickr
source: The Guardian

Jamie Condliffe - Gizmodo US[原文]

(渡邊徹則)

参照元 : gizmodo


パナマ文書が暴露! タックスヘイブンで“税金逃れ”していた日本の大企業とは…文書に「DENTSU」の名前

2016.04.10

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ロシアのプーチン大統領の「金庫番」側近は総額20億ドル(約2200億円)。他にも、中国の習近平国家主席の親戚や英国のキャメロン首相、シリアのアサド大統領、ウクライナのポロシェンコ大統領、サウジアラビアのサルマン国王の関係者がタックスヘイブン(租税回避地)を利用した租税回避行為を繰り返していた──。

この事実を明らかにしたのはパナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から流出した「パナマ文書」。「モサック・フォンセカ」はタックスヘイブン(英領バージン諸島、ガーンジーなど)での会社設立を代行するビジネスを展開しており、その顧客情報が内部リークもしくは外部ハッキングで流出し南ドイツ新聞を通じて「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)に渡ったのだ。

「パナマ文書」は「モサック・フォンセカ」の40年に渡って記録した1100万件以上の文書で、データ量は、2.6テラバイト(2600ギガバイト)にのぼり、現在確認されただけでも、各国の首脳や首脳経験者12人を含む政治家など140人がタックスヘイブンを利用して金融取引などを行っていたという。

こうした行為は税法の抜け穴を巧妙に利用した「租税回避行為」であり、刑事罰の対象にはならない。しかし、名前が明らかになれば、自国の税金を免れようとする銭ゲバぶりに、社会的な信用はガタ落ち必至だろう。

実際、これをうけて、2008年のリーマンショックで自国が金融危機に陥るなか資産隠しをしていたと報道されたアイスランドのグンロイグソン首相は4月5日、辞任を表明した。今後、各国でまだまだ騒動は広がっていくだろうと思われる。

そして、それは日本も例外ではない。報道されているように、このパナマ文書には、日本人、日本企業の名前も多数含まれていた。

いったいどういう企業や企業経営者が税金逃れをしているのか。すでに、警備大手のセコムの創業者や親族がこのパナマ文書に記載があり、「700億円」を超す大量の株式をタックスヘイブンに移転していたことが、事実として確認されている。

「複数の法人が1990年代にタックスヘイブンにつくられ、創業者で取締役最高顧問の飯田亮氏と元取締役最高顧問の故・戸田壽一氏の保有するセコム株の一部が移転していた(当時の取引価格で計700億円を超す大量のセコム株)。さらに、それらのセコム株が二人の相続人が関係する別の法人に移転するスキームが作られていた。法人の税制が軽減されているタックスヘイブンでの移転で日本の相続税や贈与税を免れようという意図があったのでしょう」(新聞記者)

他にも、ネットでは、この膨大なデータベースからつきとめたとする複数の企業名が上がっている。三菱商事、丸紅、ファーストリテイリング、オリックス、バンダイ、商船三井、大日本印刷、大和証券、ドワンゴ、ドリームインキュベータ、JAL、日本郵船……。

さらには、大手広告代理店の電通も上がっている。たしかに、本サイトでもICIJが公開したnode csv.ファイルを検索したところ、「DENTSU INC」、「Dentsu Asia Fund I」という名前がそれぞれ1箇所出てきた。※その後、これらの企業名は、パナマ文書とは別にICIJが公開した過去の租税回避行為に関与した企業名リスト「オフショアリークス」のファイルであることが判明した(4月11日13時30分 情報を訂正・更新しました)。

ただし、現時点では、これらの企業名や住所が記載されているということしかわからず、具体的にどう関与したかは、それぞれの国の政府とマスコミが調査する必要がある。 だが、日本ではそれは難しいだろう。事実、菅義偉官房長官は早速、調査に否定的な見解を表明したし、おそらくマスコミもこれ以上、実名を詳しく報道することはないだろう。

「出てくる企業名は、電通をはじめ、大スポンサーばかりですからね。マスコミがわざわざ企業名を暴くとはとても思えません」(全国紙経済部記者)

だが、こうした「租税回避行為」は日本の大企業によって日常的に行われているのが現実だ。2013年には「しんぶん赤旗」(8月25日付)がタックスヘイブンに子会社を設立している大企業のリストを掲載したことがある。

1位:三井住友フィナンシャルグループ タックスヘイブン子会社の資本金総額 2兆9788億円 2位:NTT 同7957億円 3位:三菱UFJフィナンシャルグループ 同7554億円 4位:JT 同4877億円 5位:三井住友トラストホールディングス 同7554億円 6位:トヨタ自動車 同3287億円……。

同紙が有価証券報告書を調べた結果、東証に上場している時価総額の上位50社のうち45社が子会社をタックスヘイブンに設立しており、その子会社の数は354、その資本金の総額は8.7兆円にもなるという。日本の大企業のかなりの部分は、タックスヘイブンに巧妙に利用し、「租税回避行為」を行っている現実がある。

こうした抜け穴がある限り、富裕層や大企業がますます富み、手数料ビジネスの会計事務所は大儲け。一方で、租税回避された税の穴埋めは中所得層以下の税負担によって補われる。税の不平等が加速するのだ。

現在、米オバマ政権が、この租税回避行為の防止に積極的に動いており、日本もマイナンバーを導入するなど、米国と一致した行動を見せようとしているが、政策的にはチグハグさが目立つ。

「租税回避行為を抑制するために導入したはずのマイナンバーは政府が国民を管理するために使い始めています。さらに、安倍政権では企業の国際競争力を高めるためとして、法人実効税率を引き下げる方針を掲げているが、タックスヘイブンと同じ土俵で税金引下げ競争に参加しているだけのこと。このように日米間でも足並みが乱れており、大企業はその抜け穴を利用して、今日も租税回避行為に邁進するというわけです」(新聞記者)

先ごろの国際金融経済分析会合では、ノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大教授が「投資を促さない」と法人税減税に否定的な指摘をしたが、それでも安倍政権は「世界で一番企業が活躍しやすい国」を目指し法人税減税に躍起となる。

現実には「世界で一番企業が活躍しやすい国」日本で稼いだカネは、国内を還流せず、タックスヘイブンで運用され、世界に投資される、これでは日本の景気が良くなるはずはないだろう。

(小石川シンイチ)

参照元 : LITERA


ここから「パナマ文書」流出 税逃れ対応協議へ

2016/04/11 10:32

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各国の首脳や富裕層らがタックスヘイブンを利用し、課税逃れをしていた疑惑が次々と明らかになり、各国の政府は今週、対応を協議する見通しです。

パナマの法律事務所から流出した情報をきっかけにアイスランドの首相が辞任するなど、影響は広がっていて、パナマには各国から取材陣が集まっています。

取材に訪れたスイスの雑誌記者:「スイスでも大きなニュースです。日曜日の新聞もこの話題ばかりです」「(Q.この騒動は氷山の一角か?)そうです。まだ多くが明らかになるでしょう」

こうした事態を受け、OECD(経済協力開発機構)は13日に各国の税務当局による緊急会合をパリで開き、タックスヘイブンを利用した課税逃れの対応を協議します。また、14日にワシントンで開かれるG20(20カ国財務大臣・中央銀行総裁会議)でもこの問題を取り上げる見通しです。

参照元 : テレ朝ニュース



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「パナマ文書」デモなど影響拡大 国際機関が協議へ

2016/04/11 11:56

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いわゆる「パナマ文書」で、各国の首脳らがタックスヘイブンを利用し、課税逃れをしていた疑惑が次々と明らかになり、各国の政府は今週、対応を協議する見通しです。

パナマ文書を巡っては、イギリスのキャメロン首相の辞任を求めるデモが起きるなど、影響が拡大しています。このため、情報が流出した法律事務所があるパナマには、各国から記者が集まっています。

取材に訪れたスイスの雑誌記者:「スイスでも大きなニュースです。日曜日の新聞もこの話題ばかりです」「(Q.この騒動は氷山の一角か?)そうです。まだ多くが明らかになるでしょう」

こうした事態を受け、OECD(経済協力開発機構)は13日に各国の税務当局による緊急会合で対策を協議します。また、14日のG20(20カ国財務大臣・中央銀行総裁会議)でもこの問題を取り上げる見通しです。

参照元 : テレ朝ニュース


「パナマ文書」公開で懸念される“ハイパー円高”の可能性

2016年4月7日

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「パナマ文書」に世界各国の指導者が震え上がっている。

パナマの法律事務所が作成した、カリブ海などのタックスヘイブンに設立されたオフショア(非居住者向け)会社に関する文書のこと。1970年代から作成され、総数は1150万件。国際調査報道ジャーナリスト連合が今月3日、その一部を公開し、世界中を巻き込む大騒ぎになっている。

タックスヘイブンを利用した金融取引そのものは違法じゃないが、資産隠しや資金洗浄などに悪用している疑いアリというわけ。で、文書にはロシアのプーチン大統領の側近や、中国の習近平国家主席、李鵬元首相らの家族に加え、パキスタン、ウクライナなど12カ国の首脳の名前も含まれていたから、さあ大変。妻がバージン諸島に会社を保有していたことが発覚したアイスランドのグンロイグソン首相は辞任を表明した。

さらに英キャメロン首相の亡父や、フランスの元閣僚や有力議員、スペインでも王室関係者の名前が挙がっており、いずれも弁明に大わらわだ。ちなみにメッシやジャッキー・チェンなどのセレブも関わっている。

「米国やオーストラリア当局も調査に乗り出し、今後数日から数週間で、新たな情報が公開される見通しです。この先どんな“爆弾”が飛び出してくるか分からない。世界の株式市場関係者も震え上がっています。各国の調査で脱税などの不正が明るみになり、政権の中枢を揺るがす事態にでもなったら、ただでさえテロ不安で冷え込んでいる市場は、一気に凍りつきかねません」(外資系証券会社関係者)

■要注意は中国市場

特に要注意なのが、中国市場だ。中国経済が先行き不透明なうえに、反腐敗で民衆の支持を得ていた習政権が揺らいだら……上海市場が暴落し、と同時に比較的安全資産とされる円買いが進むことは間違いない。エモリキャピタルマネジメント代表の江守哲氏は最近の円高局面について、「今年9月には1ドル=87円」「1ドル=87円では、株価水準は1万1000円前後」などと本紙で指摘していたが、パナマ文書がさらに円高を加速させる恐れがあるのだ。

「パナマ文書がハイパー円高の引き金になる可能性は十分考えられます。文書の完全版は5月に公開される予定だそうですが、それまでに資産が円に流れ、東京市場が暴落しても不思議じゃありません。4年前のような円高倒産ラッシュも避けられない。安倍政権も参院選どころじゃなくなるでしょう」(経済ジャーナリストの岩波拓哉氏)

というか、10、11日に広島市で予定されているG7外相会合を開く余裕が、果たして各国にあるのか。

リーマン・ショック以降の円高でも、政府・日銀は為替介入を実施しているが、食い止められなかった。ハイパー円高の足音が聞こえる……。

参照元 : 日刊ゲンダイ



タックスヘイブン利用者リストに載っていた主な日本企業

電通
ファーストリテイリング(ユニクロ)
ドワンゴ
バンダイナムコ
ソニー
シャープ
ホンダ
JAL
楽天ストラテジー
ソフトバンクグループ
SBI
セコム
みずほFG
三井住友FG
三菱商事
サンライズ
大日本印刷
大和証券
商船三井
ドリームインキュベータ
石油資源開発 オリックス 丸紅
日本紙 双日 日本郵船 三共 東レ パイオニア
KAORI INTERNATIONAL KAWAGUCHI TECHNOLOGY
三井物産 TBS
大宗建設
ドリテック
ジー・モード
トキワ(化粧品)
千代田リース
アーツ証券
山一ファイナンス
飯田亮(セコム取締役)
戸田寿一(セコム元取締役