【閲覧注意】死者のために指を切断する「ダニ族」の奇習 ― 激痛とミイラと死生観=ニューギニア

2015.12.01

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自らの意志で己の指を切断する。

日本のヤクザ社会では「指詰め」「エンコ詰め」と呼び、大きな失敗を犯した自分への戒めやヤクザ社会から足を洗う際のケジメとして、古くから儀式的に執り行われてきた。

このように自ら肉体の一部を切断する文化は世界でも珍しいのだが、全く例がないわけではない。インドネシアの西ニューギニアで、現在も原始的な生活を送るダニ族の女性たちは、指を欠損している者が多い。彼女たちも自らの意志で、指を切り落としているのだが、彼女らの“指詰め”は、日本のヤクザと、その意味合いが全く異なる。

ダニ族の女性は自分の親族が亡くなった際、故人への弔いの意味を込め、自身の指を切り落とすのだ。これはダニ族間での宗教的信念に由来する行為であり、指を切り落とす際の激痛は、大切な人を亡くした心の痛みと同等なのだという考えに基づいている。この時の激痛に耐えることで、愛する人を失ってしまった際に生じる精神的混乱を断ち切るのだ。

■愛ゆえに指を切り落とす女性たち

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彼女たちは家族が亡くなった数だけ指を切り落とす。そのため、かつて部族間の戦いがあった頃には、夫や息子を亡くした女性が一度に複数の指を切り落とすこともあり、十指すべてを失うのも珍しいことではなかったという。

ダニ族の女性たちは、指を切り落とす際、まず長時間指にきつく紐を結びつける。血流を止めて麻痺させるのだ。そして指を切り落とした後は、切断面を焼いて止血。そして切り落とした指は炎で焼かれて灰となり、故人の墓前に捧げられる。

この文化がどれほど前から始まったのかは定かではない。だが、長い年月の中で痛みを和らげる方法や止血法が形式化していったのだろうと推測されている。ただ、長く独自の生活を送ってきたダニ族も、文明社会と接触したことで生活や思想が変化し、指を切る習慣は禁止され、現在では体に泥を塗ることで喪に服するようなったという。



■英雄を称え“ミイラ化”する

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さらにもうひとつ、ダニ族には死にまつわる特徴的な文化がある。それが「燻製ミイラ」だ。

TOCANAでは以前、パプアニューギニアで暮らすアンガ族の間で行われている、死者を燻製にしてミイラにする文化を紹介した。ダニ族も遺体を煙に燻してミイラにする工程はほぼ同じなのだが、屋外に朽ち果てるまで飾るアンガ族のミイラとは異なり、ダニ族の中でミイラは慎重に保管される。それはミイラとしてその身体を残すことができるのは真の英雄だけとされているためだ。そのため、現存する最も古いミイラは300年以上前に生きていたダニ族の戦士のもので、日本国内に残る高僧の即身仏に引けをとらないほど、保存状態は良好だ。



ダニ族は外部からの訪問者にも寛容なため、現在では彼らの生活を垣間見ることのできるツアーなども行われている。興味のある方は、ぜひ彼らの元を訪れてみてはどうだろう? 運が良ければ、かつての英雄のミイラを、その目で見ることができるかもしれない。

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参考URL:「theplaidzebra.com」、「dailymail.co.uk」、「papuatrekking.com」、「trek-papua.com

参照元 : TOCANA


インドネシアの西ニューギニアの先住民族、ダニ族。男の客人は女たちが担いで迎える。山本太郎が世界ウルルン滞在記。ここでは、約8万人のダニ族が暮らす。