サウジ主導のイエメン空爆続く ハディ大統領はエジプト入り

2015.03.28 Sat posted at 19:16 JST
 
yemen

サヌア(CNN) サウジアラビアが主導する中東諸国の軍は27日、前日に続きイエメンのシーア派武装勢力「フーシ派」を標的とした空爆を行った。フーシ派が掌握する首都サヌアでは同日夜、大きな爆発音が聞こえた。空爆による負傷者の数や被害の程度は分かっていない。

サヌアの他にも国内15カ所で空爆が行われており、フーシ派の拠点である北西部のサーダでは少なくとも10人の死者を出した。空爆の標的となっているフーシ派は先ごろ、イエメンの首都サヌアを制圧。25日には同国のハディ大統領が逃れていた南部の港湾都市アデンの主要地帯を支配下に収めた。
 
フーシ派の進攻を受けアデンを脱出したハディ大統領は27日、アラブ連盟の首脳会議に参加するためエジプトに到着した。アラブ連盟の加盟国の多くは今回の空爆に参加しており、ハディ大統領の復権をもくろんでいるとみられる。
 
イエメンは実質的に内戦状態に陥っており、ハディ政権を支援するサウジアラビアと、フーシ派と連携するイランの代理戦争の様相も呈している。空爆を主導するサウジアラビアとしては、シーア派の大国イランを警戒しており、イエメンがシーア派に支配される事態は避けたい意向だ。
 
サウジアラビアは、ハディ大統領が書簡で軍事介入を要請してきたと主張している。書簡の内容は同国外務省によって公開された。

サウジアラビアの関係筋によれば、他に軍事作戦に参加しているのは、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、バーレーン、カタール、ヨルダン、モロッコ、スーダン、エジプト。米軍は情報活動や後方支援といった分野で作戦に参加しているとされる。

参照元 : CNN.CO.JP


イエメンの武装勢力、空爆にも関わらず攻勢に

サウジアラビア主導の空爆にもかかわらず、イエメンで武装勢​​力が過激派を強制することを発表。国の南部で多くの利益を作った。記者は政府軍が奪還していると発言。

Insurgents in Yemen have made more gains in the south of the country despite Saudi Arabia-led airstrikes intended to force the militants back.

Local reporters say government forces have recaptured some contested areas with the assistance of the bombing campaign that started on Thursday.

But the Shia insurgents have seized part of Abyan province, the home of President Abd-Rabbu Mansour Hadi, and Shabwa province, both in the south.

Heavy fighting between government forces and insurgents in Aden on Saturday left many casualties. The president named the southern city as a temporary capital after the rebels took hold of the capital Sanaa.

In Aden, stores remain closed. Saudi Arabia's state-run news agency says 86 diplomats from Saudi Arabia and other allied countries left Yemen on a military ship.

The AFP news agency says about 200 embassy employees and UN agency workers also left Yemen by plane from Sanaa.

Yemeni insurgents on offensive despite air strikes




イエメン:イランとサウジアラビアの代理戦争、混迷を極める

2015年3月28日 10時18分 更新

iemen

イスラム教スンニ派のサウジアラビアと同教シーア派のイランは、ずっと敵対していた。しかし、両国は直接衝突を避け、その代わりとして中東で代理戦争を展開してきた。25日、サウジアラビアはイエメンのイラン派組織「フーシ(Houthis)」に対して空爆を仕掛けた。

爆発寸前だった代理戦争が湾岸地域を飲み込む可能性がある大火へと変化した。サウジアラビアの攻撃により、イエメンにおけるイランの覇権は脅威にさらした。富裕国に挟まれている最も貧しいアラブ国家「イエメン」は戦場に変わった。

サウジアラビアは、イエメンでの空爆にあたり、少なくとも10か国による連合を指揮および援助している。同空爆は選挙で選ばれたスンニ派政府の支持を得ている。イエメンの大統領は国外へ逃げた。

イエメンへの攻撃は、陸・海・空から展開される。一方、シーア派のフーシは徹底抗戦をを誓った。そして、わずか24時間後、衝突は米国、英国およびロシアを含む世界で最も大規模な争いになった。

フーシ派政治勢力のひとりであるムハンマド・アル・ブクハイティ(Mohammed al Bukhaiti)氏は、アル・ジャジーラ(Al Jazeera)に、「イエメンでは侵略が進行中であり、私たちは侵略に対して勇敢に立ち向かいます。軍事行動は地域を広域な戦争へと引きずりこむでしょう」と述べた。

報道によると、サウジアラビアは15万人の軍隊を導入し、数日中に5,000人の兵士を南部の都市「アデン(Aden)」に送るつもりであるという。

複数の報道によると、エジプト当局は陸・海・空の援助をサウジアラビア主導の連合に提供することを誓った。アラブ首長国連邦は戦闘用のジェット機を30機提供した。バーレーンは8機、モロッコとヨルダンはそれぞれ6機ずつ提供した。

第二次世界大戦以後、米国が直接関与しない中では最大の連立である。米国は連合に対して、調査、戦略、物流面のサポートとして参加している。

イランのザリフ(Zarif)外相は「『米国の後押しを受けた侵略』の即時終了を要求した」と述べた。同相は、今までずっと、湾岸諸国や西側に向けて慎重でいるように、近視眼的にならなようにと警告してきたという。アルカイダやISISと同じ展開になることを避けるためである。

26日午後、空爆が再開された。報道によると、フーシはサウジアラビア国境に到達し、国境を横断することを目指している。戦争は地上戦に突入する可能性がある。

アメリカン・エンタープライズ研究所のイエメンアナリストであるアレクシス・クヌステン(Alexis Knutsen)氏は、「彼ら(フーシ)は再びサウジアラビア領土を攻撃する可能性があります」と述べた。

イランとフーシは、お互いに直接的な軍事協力をしていないと一貫として主張してきた。しかし、「昨年末にフーシが首都を奪取して以降、イランはフーシに武器・訓練・資金を提供している」という報道が複数ある。

先月、フーシ代表団はテヘランを訪問し、両国間の旅行を容易にするための民間の飛行協定に調印した。

27日、ヒズボラのメンバーがイエメンで、アデンに侵攻しようとしているフーシ兵士に訓練を施し武器を提供していたという情報が出回った。アデンは、イエメンのアブドラボ・マンスール・ハディ(Abed Rabbo Mansour Hadi)大統領の最後の拠点だった。

フーシは、ロシアや中国と経済取引を成立させることによって、イエメンにおける自身の存在に合法性をもたせようとしている。アラビア半島でアルカイダと戦うことによって、民衆のサポートを得ようとしている。また、サウジアラビアの空爆はフーシに対して有利に働くかもしれない。

クヌステン氏は、「空爆は、イエメン人を団結させるかもしれません。フーシに反対する人々までもを団結させる可能性があります」と述べた。

イエメンのハディ大統領は26日、アデンを去りサウジアラビアに入った。それもフーシの勝利と言えるかもしれない。クルステン氏は「現時点で、ハディ大統領が返り咲きをするのは極めて難しいと言えます。ハディ大統領は国外逃亡したので、状況は大統領に不利です」とコメントした。

サウジアラビアは、逃亡したハディ大統領とともに、フーシより先にアデンに入る準備をしている可能性がある。しかし、その行動は人民に敵対的にとられるかもしれない。イエメン南部は長い間、アルカイダを標的としている米国のドローン無人機の空爆地であった。民間人の殺害が二次被害として生じている。それゆえ、多くの現地人は、米国や米国側をあまり快く思っていない。

サウジアラビアの空爆は、今までに少なくとも17人の民間人を殺害した。空爆と外国の介入か、それともフーシかという二者択一を与えられたなら、現地の人の中にはフーシを選ぶ人も出てくる可能性がある。

フーシを支持しているフセイン・アル・ブクハイティ(Hussain al Bukhaiti)氏は「私たちはイランを必要としません」とコメントした。同氏は、サナア(Sanaa)を拠点として活動する翻訳家兼ジャーナリストで前述のムハンマド・アル・ブクハイティ氏の兄弟である。

フセイン氏は、「湾岸諸国と西欧諸国についての問題は、フーシの力を過小評価していることです。今、全世界は、フーシが何者であるかを知るでしょう」と語った。

*この記事は、米国版International Business Timesの記事を日本向けに抄訳したものです。(原文:Alessandria Masi記者「Iran, Saudi Proxy War In Yemen Makes International Enemies, Local Friends For Houthis」)

参照元 : インターナショナルビジネスタイムズ

【関連記事】
サウジアラビアがイエメンのシーア派系武装勢力が占拠する首都サヌアの軍事基地などを空爆