<広島土砂災害>不明51人…安否確認で混乱、集中捜索続く

2014年8月21日(木)20時59分配信
 
20140820101611hirosima044

20日未明に広島市北部を襲った土砂災害で、広島県警は21日午後、行方不明者が51人に上ると発表した。県警や消防に寄せられた安否不明者情報のうち、連絡のつかない人を集計したという。県警は同日朝まで「死者39人、行方不明者は7人」と発表していたが、地元住民からは「行方不明者数はもっと多いのではないか」と疑問視する声が出ていた。また死者のうち新たに17人の身元が判明した。県警は消防や自衛隊などと協力して救出活動に全力を挙げるとしている。


県警によると、これまで発表してきた「行方不明者7人」という数字は、親族が倒壊家屋の下敷きになるのを目撃するなど、確実に被害に遭ったと見られる人のみをカウントしたものだった。

一方、県警や消防には災害直後から「家ごと流された人がいる」「知人と連絡が取れない」などの情報が多数、寄せられていた。21日朝には、広島市の災害対策本部が消防の情報をもとに「行方不明者は31人」と発表し、警察発表の7人と大きな食い違いが出た。このため同日午後までに、県警と消防の担当者が互いの情報を交換し、同日時点で51人の不明者がいるとの結論に達した。県警が確認した死者39人の中には、身元確認に至っていない人が8人いるが、県警によると今回発表した51人と重複する人は少ないとみられる。

県警は被災地に警察官約1700人を出して捜索にあたっている。特に不明者情報が多い同市安佐南区の八木地区では、「アパートが1棟ごと流され、住人が不明になっている」などの情報がある。県警は警察官の約半分を同地区に集中投入するなどして生存者の捜索にあたっているが、夜に入って雨となり、一部地域に避難指示が出された。

また広島市北部の集中豪雨被害で、自治体や団体などが救援、支援に乗り出した。広島市と市社会福祉協議会はボランティア受け入れの窓口となる「災害ボランティアセンター」を設置した。しかし、被災者のニーズの集約は進んでおらず、対応が急がれる。専門家は「行政に精通したボランティアらが求められる」と指摘している。【石川裕士、田辺佑介、小山由宇】

参照元 :
毎日新聞






【関連記事】

広島市の各地で大規模な土砂災害が発生 これまでに死者39人、7人が行方不明