日本、格差の拡大に目を向けるべき=玉木OECD事務次長

2014 年 7 月 4 日 19:44 JST

 
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経済協力開発機構(OECD)の玉木林太郎事務次長兼チーフエコノミストは最近、日本と欧州を行き来する中で国民の議論の違いに気づかされた。日本では成長の促進ばかりが話題となるが、欧州ではいかにして格差を縮小するかが問題になっている。

その証拠に、世界的に注目度の高いフランス人経済学者トマ・ピケティ氏の『21世紀の資本論』はまだ邦訳されていない。世界の格差拡大を扱った同書は昨年フランスで刊行され、今春に英訳が出ると米国でたちまちベストセラーとなった。

元財務官の玉木氏は、東京でOECDの報告書「今後50年間の政策課題」を発表し、OECDに加盟する34カ国で所得格差が深刻になっていると警告したばかり。その玉木氏が、今の日本ではインフレ促進を掲げた安倍晋三内閣の政策で格差が拡大しているにもかかわらず、こうした議論がほとんどないのは注目に値すると述べた。

所得格差の拡大は極めて深刻な影響を引き起こす恐れもある。玉木氏は、欧州で格差拡大が極右政党の台頭する一因になっていると指摘し、安倍首相も今後は慎重な政策運営が必要になるだろうと話した。

玉木氏の疑問は、日本がどうして格差にそこまで「鷹揚(おうよう)なのか」だ。

玉木氏によると、労働組合のある大企業は安倍首相の要請で賃金を引き上げたが、背後には会社の評判を傷つけない意図もある。一方で労組のない中小企業は賃金を抑制したままだ。この結果、大企業と中小企業の賃金の差が広がっている。

さらに最近の円安傾向も実質賃金を減らしている。

玉木氏は、円安で輸出競争力が高まる理由が「ドルで同じ値段で売ってもたくさん円の手取りが来るのに、賃金は一定」という点にあると説明。「売り上げに対する賃金の比率が下がってしまう」と述べた。

玉木氏の見解を裏付ける経済指標も出ている。5月の実質賃金は前年同月に比べ3.6%減少し、2009年12月以降で最も大きな下げ幅を記録した。

消費者の購買力が大幅に低下している背景には4月1日施行の消費税率引き上げがあるものの、インフレ率の上昇も要因となっている。

インフレの加速はいずれ住宅ローン金利の上昇や、貯蓄の実質的な目減りももたらす。

玉木氏によると、物価が絶えず下落している時の方が生活は苦しくなかった。デフレで賃上げがなくても、収入を維持するだけで購買力が確実に上昇するからだ。

玉木氏は、大々的な規制緩和こそが投資を呼び込み、雇用を創出する方法だとも強調した。

「これからは皆、自分は何が得意なのかを考えながら勝ち取っていかなければいけない」とし、「そういう事態に戻っていく」と語った。

参照元 : 
ウォールストリートジャーナル


日本の格差を拡大させようとしてるのが究極の売国奴、竹中平蔵、安倍晋三、経団連などの国賊。

竹中平蔵:「あえて言いますよ。これから日本は物凄い格差社会になりますよ。いよいよ本格的な格差社会になります。」