首相 中国脅威論空回り G7関心はウクライナ

2014年6月6日 朝刊
 
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【ブリュッセル=城島建治】G7首脳会議に出席している安倍晋三首相は四日(日本時間五日)、中国を念頭に、東・南シナ海での緊張に懸念を表明した外交分野の首脳宣言が出たことを受け、記者団に「東アジア情勢は私が議論をリードした。力による侵略は許されないと提言し、各国から強く支持された」と強調した。

宣言には、中国の脅威を国際社会と共有したい日本の意向が反映された。だが、欧米の関心はウクライナ問題に集中。「中国包囲網」といえる結束は示せなかった。
 
安倍首相はG7への地ならしで、各国に対中国での連携を働き掛けてきた。名指しは避けながら、ウクライナ危機後に初めてG7首脳が集まった三月のオランダでの緊急会合で「アジアなど国際社会全体の問題だ」と主張。

五月上旬の欧州歴訪でも東アジア情勢の懸念を説き、五月末にシンガポールでのアジア安全保障会議で「現状の変化を固定しようという動きは強い非難の対象とならざるを得ない」と批判を強めた。
 
今回のG7は、その集大成の場。菅義偉(すがよしひで)官房長官は五日の記者会見で、中国を念頭にした首脳宣言を「G7の理解を得たのは極めて大きい」と評価した。
 
だが実態はかけ離れている。外交の首脳宣言は十分野で計十九項目。ウクライナから始まり、中国関係は第九分野の項目十六だ。表題は「海洋航行および飛行」で、本文にも中国という国名はない。
 
安倍首相は首脳会議で、東・南シナ海の情勢を説明し「力を背景とする現状変更を許してはならない」と指摘。各国は同調しつつ、複数の首脳がウクライナに話題を移した。首相同行筋は「議論はウクライナで白熱していた」と話す。
 
ウクライナに時間がかかったため、五日に追加の外交討議をしたが、中国関連の各国の反応は同様。日本以外は「力による現状変更」の対象は中国でなく、ウクライナのクリミア半島を併合したロシアだった。
 
安倍首相の欧州歴訪に先立ち中国の習近平国家主席が三月に欧州を訪れた際、ドイツやフランスは厚遇した。中国は脅威というより、経済関係を強めたい相手。安倍首相が強調したかった中国脅威論は、深まる日中間の対立を印象付けた。

参照元 :
東京新聞


【引かれ者の小唄】中国・新華社「安倍首相は(名指しできず)落胆しているだろう」

2014年6月05日16:09

中国は、G7の首脳声明で中国を名指した批判がなかったことに関連し、国営の 新華社通信が「安倍総理は今ごろ落胆しているだろう」と論評しました。 新華社の論評では、「G7サミットは、東シナ海での日本の立場の主張に賢明な 歯止めをかけ、日本の当局者やメディアに一撃を与えた」と解説しています。

こうした中、北京では、5日から「中国・アラブ諸国協力フォーラム」が 行われています。両地域の協力関係強化を目的とするもので、6回目となる今回は、クウェートの ジャビル首相をはじめ、アラブ諸国の閣僚らが大勢参加。

開幕式で、習近平国 家主席は、シルクロードを引き合いに出し、中国とアラブは「協力発展関係を 強める必要がある」と力説し、対欧米諸国を念頭に関係強化を呼びかけました。

参照元 : TBSニュース

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