「メリーズの次は……」円安で生活用品が中国人に買い占められる!?

2014.02.12
 
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昨年末、ベビー用オムツ売り場から花王「メリーズ」が一斉に消えた。

原因は、中国人による買い占めのターゲットとなったことだ。メリーズは日本製紙オムツとして中国で知名度が高い半面、現地では偽物も氾濫。そこで目をつけられたのが、日本市場向けの同製品だった。

中国最大のネットモール「淘宝」を見ると、パッケージに日本語が書かれた同製品が、定価のおよそ3倍の値段で出品されている。 

日本市場向け製品が中国に流出する背景について、広東省ブロック紙社会部記者は「海外からの持ち込み品を買い取って転売する中国業者の存在がある」と指摘する。

「日本を訪れた中国人は、そのついでにメリーズを購入して、帰国後、買い取り業者に持ち込むことで、旅費の足しにするんです」

昨年度、日本を訪れた中国人旅行者は、延べ130万人。つまり、彼らのすべてが潜在的転売ヤーということになるのだ。

さらに、彼らの転売行為に拍車をかけているのが、このところの円安だという。

「日本円は人民元に対し、過去1年で2割以上も下落している。つまり中国人にとっては、2割も格安に日本で買い物ができるようになったことになり、転売行為による利ざやも大きくなった。そんな中、中国の転売業者は紙おむつ以外の買い取りも強化しています」(同)

例えば、空気清浄機の交換フィルターだ。

「PM2.5が過去最悪レベルに達している中国では、日本製の空気清浄機が人気。しかし問題は、消耗品であるフィルターの調達だ。日本では半年ほどは交換不要だが、末期的な大気汚染により1カ月ほどでフィルターが真っ黒になってしまう。そのためフィルターは慢性的に品薄で、買い占め行為によって価格がつり上がっている。また、水道水や市販のミネラルウォーターの信頼が失墜する中、浄水器フィルターも同様の状況にある」(同)

中国特別行政区の香港では、これまでも粉ミルクやヤクルト、最新スマートフォンなどが大陸から来た中国人に買い占められ、たびたび価格高騰や在庫不足に悩まされてきた。そこで、中国人に対する持ち出し量の規制など、買い占め防止策を講じているが、日本も同様の対策を検討しなければ、多くの生活用品が中国人に買い占められることになる?
(文=牧野源)

参照元 :
日刊サイゾー