アルカイダは米軍より正直者? 無人機攻撃続くイエメン

2013.12.26 Thu posted at 17:10 JST

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(CNN) 戦争では「真実が最初の犠牲者になる」と昔から言われてきた。だが米国は、世界の民主主義を主導する立場から、戦争になっても真実を公にする必要がある。米国がイエメン国内で戦い始めてから4年が経った。米国の敵である国際テロ組織アルカイダ系の「アラビア半島のアルカイダ」が、民間人の犠牲者が出た病院襲撃は自分たちの過ちだったとして謝罪。

真実の告白という点で、アルカイダの方が米国よりも上であることを見せつけた。同組織の指導者は22日に公開したビデオ声明で、イエメンの首都サヌアで5日に病院が襲撃された事件について、イエメン国防省を狙った戦闘員が誤って国防総省内にある病院を襲撃したと打ち明け、「我々はこの過ちを認める。犠牲者の遺族に謝罪し、哀悼の意を表する」と発表した。

一方の米国は、イエメン西部で12日に米軍の無人機が武装集団とみなした車列を攻撃したとされる問題について、沈黙を続けている。狙われたのは結婚式の車列だったことが分かり、少なくとも6人の民間人が死亡したと伝えられている。

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無人機作戦の重大な問題はここにある。米軍が誤って民間人を殺害した場合は謝罪して何らかの補償を行うのが普通だ。しかし無人機の場合は秘密裏に作戦を展開しているという性質上、必然的に過ちを犯したとしても、米当局者は何も言わない。

さらに悪いことに、作戦は完璧であり、民間人を殺害したことはないと主張することもある。当時オバマ大統領の対テロ問題担当補佐官だったジョン・ブレナン氏は2011年6月に、ほぼ1年の間、「巻き添えによる死者は1人も出ていない」と言い切った。同氏は現在、米中央情報局(CIA)長官を務める。

オバマ大統領は無人機の問題に対応するため、5月23日にワシントンで対テロ政策について演説し、「いかなる攻撃においても、事前に民間人の死傷者が出ないことをほぼ確実にしなければならない」と言明した。
 
この演説以降、オバマ政権は、CIAがパキスタン国内で行う無人機攻撃の回数を激減させ、イエメンでもわずかに減らした。

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パキスタンで過去7カ月に実施された無人機攻撃は14回で、15日に1度の頻度になった。これと比較して5月のオバマ演説までの1年間は、8日に1度の頻度で攻撃が行われていた。無人機攻撃の統計をまとめている団体によると、5月の演説以降、パキスタンで民間人が死亡したという信頼できる情報はないという。

イエメンでも演説以降、攻撃回数はわずかに減っている。5月23日以降の攻撃は16回あり、頻度は13日ごととなっている。それまでの1年間はほぼ10日1度、攻撃が行われていた。パキスタン、イエメンとも民間人の犠牲者は着実に減っているものの、12月12日にイエメンで民間人が死傷したことは、まだ改善の余地があることを見せつけた。

事態改善のための方策として、例えばCIAや国防総省から独立した立場の専門家委員会を組織して無人機による攻撃を検証し、犠牲者が本当に武装勢力のメンバーだったのかどうかを確認すれば、CIAの要員や無人機の操縦者も、過ちを避けるためにもっと注意深くなるだろう。


本記事は、無人機攻撃の統計をまとめるなど国防や教育などでさまざまな分野で提言を行う米非営利組織(NPO)ニュー・アメリカ・ファウンデーションの代表、ピーター・バーゲン氏によるものです。記事における意見や見解はすべてバーゲン氏個人のものです。

参照元 : CNN.CO.JP
アルカイダが異例の謝罪▼

米無人機攻撃を非難 人権団体▼


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