「ビッグフット」を撃ったら処罰される?

2013.12.23 12:00
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1924年、米ワシントン州の鉱山で、6人の作業員が巨大な猿のような動物に襲撃された。銃で応戦したがひるまず、命からがら逃げ出したという。

この目撃談をはじめ、ロッキー山脈を中心に巨大な毛むくじゃらの二足歩行の生き物に遭遇したという報告が全米で相次いだ。足跡があまりに大きく、「ビッグフット」との呼び名が付けられた。

ゴリラを見間違えたとの見方もあれば、新種の類人猿という説もあり、その真偽や正体をめぐり論争が続いているが、なんとそのビッグフットを射殺すると罪に問われる自治体がある。

目撃例が多いワシントン州スカメニア郡もその一つだ。最大1万ドル(約100万円)の罰金か5年以下の禁錮に処すとの法律が制定されたのは69年。その後罰金は1千ドル以下に引き下げられたが、もし検視官がビッグフットを「人類」と鑑定すれば殺人罪に問われるという笑えない条項も加わった。法律ができた趣旨は、ビッグフットを手に掛けようと郡外から押し寄せる人々が誤って住民を撃つのを防ぐためだったという。

カリフォルニア州も、狩猟が認められる動物のリストにビッグフットが載っていないという理由から処罰の対象。一方、テキサス州では逆に狩猟禁止リストの対象外のため射殺もおとがめなしだそうだが、当然ながらまだ実例はない。

ビッグフットのような未知の生物は世界各地で噂があり、ネパールの「イエティ(雪男)」や中国の「野人」、日本でも広島県周辺で出没するという「ヒバゴン」が有名だ。いつの日か、その正体がはっきりする日が来るかもしれないが、やはり伝説は伝説のままの方がロマンがあって楽しいかも。(ワシントン 柿内公輔)

参照元 : 産経新聞