若者がカモられる投資詐欺とは?
2013.11.15
積極的な広告展開で目を引いた「いつかはゆかし」の事業会社、アブラハム・プライベートバンクが、ファンドの無登録販売を理由に業務停止処分を受けた。怪しい投資商品の被害に遭わないためにはどうすればいいのか、専門家に聞いてみた。
◆少額の詐欺は30〜40代の被害者も多い
アブラハム社の場合、実際に海外ファンドでの投資が行われているので詐欺にはあたらないが、世の中には怪しい投資商品や詐欺が横行している。法律事務所オーセンスの木村光伸弁護士は、「投資詐欺は年々巧妙化し、増加の傾向にある」と警告する。
「悪徳業者は騙すことを前提に、巧みなセールストークや豪華パンフレットで投資家の目をくらませます。警察庁発表の検挙数は減っていますが、これは事件が減っているのではなく巧妙化で検挙が難しくなっていると考えられます」
最近の主な手口は、未公開株の極秘情報を教えるという未公開株詐欺や、FX取引を任せて資産を増やす、といったふれこみで資金を集めるFX詐欺が多いという。
「一回で終わりではなく、たまたま運用に失敗したなどと言って、数回にわたってカネを出させるケースが多い。被害者も『家族に損を出したことを知られたくない、なんとか損を取り返したい』という心理が働き、さらにお金をつぎ込んでしまうのです」(木村氏)
以前であれば、こうした被害に遭うのは高齢者と相場が決まっていたが、最近はそうとも言いきれないようだ。
「敏腕ディーラーにFX取引を任せるといった詐欺は、実際にFXでうまくいかなかった人が被害に遭う例がみられます。上手な人が取引すれば大儲けできるのではないか、という心の隙を突かれてしまうのです」(金融ジャーナリストの鈴木雅光氏)
最初のうちは配当金を振り込んでおいしい思いをさせることも多く、そうすると口コミでさらに被害が広がってしまうのだという。
「ありえない利回りを提示されれば怪しいとわかりますが、最近は年利7%といった現実的な数字を謳うファンドもあり、騙されやすくなっているようです。『いつかはゆかし』のように、フェイスブックなどの交流サイトやウェブを活用して集客する例が増えると、若い人の被害はさらに増えることも考えられます」(同)
参照元 : 日刊SPA
怪しい投資商品を見抜く方法
2013.11.15
積極的な広告展開で目を引いた「いつかはゆかし」の事業会社、アブラハム・プライベートバンクが、ファンドの無登録販売を理由に業務停止処分を受けた。怪しい投資商品の被害に遭わないためにはどうすればいいのか、専門家に聞いてみた。
◆まずは社名をネット検索。高利回りを信じないこと
悪質な投資商品に一度お金を投じてしまうと、取り戻すのは相当難しいという。
「被害者から依頼を受けて『運用の実態はあったのか?』カネの流れを追っている間に資金を洗浄、雲隠れするのが常套手段。詐欺罪で刑事告訴したところで現金を隠されたら口座の差し押さえもできません」(法律事務所オーセンスの木村光伸弁護士)
カネを払ったら最後の怪しい投資商品。見抜く方法はあるのか?
「まず社名をネット検索して、悪い評判がないか調べましょう。登記簿で住所を調べて現地に行くのもおすすめです。実体のなさそうなレンタルオフィスだったり、看板を掲げていないところは怪しいと判断できます」(同)
「ファンドの場合『元本保証』と打つのは出資法違反となりますが、『元本確定』、『元本確保』と打つのはセーフ。怪しい業者ほど、パンフレットにこういうコピーを使いがちです」(金融ジャーナリストの鈴木雅光氏)
「マーケットセンスを磨くことも大切」と鈴木氏は続ける。
「世界のGDP成長率はだいたい5%。優秀な運用実績で知られる米ハーバード大学や米イェール大学の基金でも、直近10年間の利回りは10%程度です。世界の著名機関投資家が英知を結集した運用成績を大きく超えるような、年利回りで数十%というリターンがいかに絵空事かがわかるでしょう」
高利回りの運用が本当にできるのであれば、赤の他人に高い利息を払ってカネを集める必要なんて、どこにもないのだ。
弁護士。弁護士法人・法律事務所オーセンス所属。消費者トラブル等の一般民事事件から不動産法務等の企業法務まで、ワンストップ型のリーガルサービスを提供している
【鈴木雅光氏】
金融ジャーナリスト。ジョイント代表。証券会社勤務を経て、公社債新聞、金融データシステムにて記者。著書に『買ってはいけない金融商品のからくりhttp://p.tl/z1ob』
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