激化する米無人機攻撃 「暗殺リスト」拡張で民間人犠牲者増加への懸念

2012年6月5日

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5月最終週と6月第1週の2週にわたる新たな連続攻撃の一部として3日間行われたパキスタン米無人機攻撃で、少なくとも27人が殺害されました。

無人機攻撃が激化する1週間前には、米無人機攻撃による暗殺対象者の氏名や写真が掲載された「機密暗殺リスト」をオバマ大統領が直接監督しているというニューヨーク・タイムズ紙による報道があったところです。

賞受賞経験があり、ロンドンが本部の「調査報道ジャーナリスト協会」(Bureau of Investigative Journalism)で無人機攻撃の調査を率いる、クリス・ウッズ記者にロンドンから話を聞きます。

オバマ政権下の規定では、「事実上殺傷目標圏内とされている領域で殺害された成人男性はすべて、死後に身元が証明されない限り、テロリストなのです」とウッズは語ります。「このことは、我々のパキスタンやイエメンでの犠牲者についての報告と、信頼されている通信社が行っている報告の間の齟齬や、民間人は殺していない、あるいはほんの少ししか殺していないとするCIAの主張を説明するのに役立ちます。

「民間人」の定義を曲るという巧妙かつ効果的な方法を使い、民間人を殺害していないと自分自身を納得させて続けていれば、それはそのうち政策に影響を与え、さらに無人機攻撃の強化を後押しすることになるのです」とウッズは話します。

また、最近の無人機攻撃が、「パキスタンでのCIAの攻撃数の大幅な増加だけでなく、ここ1年見たことないほどの激しさを見せている」と指摘します。


▽インタビュー動画とトランスクリプト



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