安倍首相はなぜウソをついてしまうのか?

2013年9月24日(火)10時10分配信
 
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古今東西、政治家がウソをつくのは珍しいことではない。ただ、五輪招致の最終プレゼンテーションにおける安倍首相のスピーチには、首をかしげる声もある。

「状況はコントロールされています。汚染水は福島第一原発の0.3キロ立方メートルの港湾内に完全にブロックされています。健康問題については今まで現在も将来もまったく問題はありません」(9月7日、IOC総会にて)

この発言に対し、山下和彦東電フェロー(技術顧問)は「今の状態はコントロールできていないと、われわれは考えている」と真逆の意見を述べている。どちらが真実かは、言うまでもないだろう。

ウソも方便という言葉があるように、五輪を東京に招致したいあまりについてしまったウソなのかもしれない。だが安倍首相、実は今年だけでもこれ以外にTPPや消費税、慰安婦問題、憲法改正、アベノミクスにおける雇用、所得などでも似たような“ウソ”をついているのだ。

※その具体的発言については『週刊プレイボーイ40号』「徹底検証!!安倍首相のウソつき伝説」に記載

なぜ、これほどウソを量産するのか? 政治評論家の浅川博忠氏が首相の心理をこう解説する。

「確かにウソ、それも場当たり的なウソが目につきます。昨年の衆院選と今年の参院選前までは『選挙に勝ちたい』という安倍さんの心理が見え隠れしていました。例えば、首相の持論である憲法改正。持論に支持が集まらないと見るや、にわかにトーンダウンし、同じ改憲でも発議要件を緩和するために96条の改正を言いだし、それも評判が悪いとわかると、今度は集団的自衛権の容認を目指して、解釈改憲へと軸足を移しています。アドバルーンを上げて世論の反応をうかがい、政策を出したり引っ込めたりする。それは政界の常で、政治家なら誰でもすることです。ただ、安倍首相の場合は選挙前の支持率ダウンを恐れて安全運転に徹するあまり、くるくると言うことが変わる。それが有権者にはウソの連発と映るのでしょう」

政治評論家の有馬晴海氏も、首相の選挙への執念がウソ連発につながっていると分析する。

「安倍ノートと呼ばれるものがあります。6年前、首相が参院選の大敗と潰瘍性大腸炎によって政権を放り出した直後から、彼が日々の反省点、教訓などを書き留めたものです。そのノートを通じて、安倍さんはもう一度自民党総裁になり、衆院選に勝って首相に返り咲き、そして参院選に連勝して衆参のねじれを解消すると決意したと聞いています。つまり、衆院選と参院選に勝たないかぎり、安倍さんが政治家として負ったトラウマは解消しなかった。そのせいか、首相は選挙に勝つためならウソも大丈夫、ウソは選挙に勝つための気合い、リップサービスにすぎないと受け止めているフシがあります。オリンピックの招致も一種の選挙です。首相にすれば、IOC総会でぶち上げた汚染水にまつわるウソも、招致競争という選挙に勝利するために必要な気合い、リップサービスと考えていたのかもしれません」

たとえリップサービスであっても、実現させればそれはウソでなくなる。冒頭の汚染水発言しかり、安倍首相の有言実行に期待したい。

参照元 : 週プレNEWS



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