フリーメイソンの建物が高級分譲マンションとして蘇る

2013年9月27日 20:20 JST
 
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ニューヨークの不動産仲介人シーアさんは、「レベル・クラブ」と呼ばれる、以前はフリーメイソンのクラブ兼ホテルだった分譲マンションに住んでいる。

大手不動産コーコラン・グループのニューヨークの不動産仲介人のシーアさんは、アッパーウエストサイドの73丁目の「レベル・クラブ」と呼ばれる、以前はメイソンのクラブ兼ホテルだった2800平方フィート(約260平方メートル)の分譲マンションに住んでいる。14フィート(約4.3メートル)の高さの天井やアーチ型の窓が気に入り、最初の分譲マンションを1984年に28万7000ドル(約2800万円)で購入した。

そして、2000年に61万ドルで購入した隣接する分譲マンションと結合した。それ以来、シーアさんはその建物の130軒を超える分譲マンションを仲介して売却した。なかには3寝室・バスルーム2カ所からなる270万ドルの分譲マンションも含まれる。シーアさんはこの建物の歴史やフリーメイソンと関連する特徴について強調する。「精妙な石に彫られたシンボル」や「非常に名誉あるクラブの排他的な魅力」などだ。

18世紀にさかのぼる、「Making Good Men Better」(善き男性をより善き男性に)を目的とする世界的な友愛結社、フリーメイソンはかつては米社会で強い影響力を持つ組織だった。メンバーには初代大統領ジョージ・ワシントンや政治家・外交官として有名なベンジャミン・フランクリン、銀行家アンドリュー・メロンなどもいた。1870年代後半から1930年代初めにかけて、メンバーたちは大規模で精巧な神殿やロッジを全米に建設した。立派なファサードや込み入った彫刻を伴うことが多かった。

1950年代にはメンバー数は約400万人から100万人に減少し、フリーメイソンは現在ではこうした時代遅れの建物すべての維持費を賄えなくなっている。不動産市場や高級分譲マンション需要の回復を追い風に、開発業者や個人がこうした建物を先を争って購入した。

公共政策の教授、クレイグ・ボードマンさんは昨年、オハイオ州コロンバスの以前のフリーメイソンの建物の展示に友人と出かけた。その分譲マンションには高さ40フィートの天井や巨大なステンドグラスの3つの窓、らせん階段、もともとの暖炉が備わっていた。2寝室・バスルーム2カ所の分譲マンションを30万ドルで購入したボードマンさんは「見事だった」と話す。(マンションにペンキを塗ってもらったときに、壁のくり形の背後に弁当箱ほどの大きさの隠しスペースが見つかった。残念ながら、中は空だった)

ヨーク・テンプルと呼ばれる赤レンガのこの建物は、1914年に建築されたもので、当時、メンバー数が20年間で1000人以上に増加し、より大きなスペースが必要になっていた。1928年のピーク時には、この支部には2200人を超えるメンバーがいた。しかし、2003年にはその数は800人未満に減った。建物の維持コストは年間平均3万ドルだった。

同支部はこの建物を不動産のリーマックス・シティー・センターの経営者であるジョー・アルメーニ氏に25万ドルで売却し、同氏は全面的なリノベーションに約450万ドルを費やした。この建物には現在、700平方フィートから1800平方フィートの範囲の25軒の分譲マンションがあり、14万9000ドルから39万9900ドルで販売されている。

フリーメイソンの建物を売却することはメンバーにとって容易なことではない。また、メイソンの建物を住居に転換することは、開発業者にとっても常に簡単ではない。メイソンの建物は時代遅れで、荒廃している傾向がある。大規模な劇場や会議室を備えたこうした建物は設計をし直す上で課題だ。

米内務省国立公園局で歴史的保存プロジェクトに対する税制上の優遇措置の運営担当ブライアン・ゴーケン氏は、歴史的建物としての連邦の免税ステータスを得るには、「建物の歴史的な特徴を残す」必要があると説明する。メイソンの建物の場合、大規模な集会場を小さな区分に分けることはできないことになる。

一方、石造建築はフリーメイソンの起源の中心的な部分であり、極めてしっかりとしている。ボストン大学の芸術・建築史の准教授ウィリアム・ムーア氏によると、テンプルは「ソロモン神殿の表象」を意味し、勇敢さの象徴だ。同氏の著書には「Masonic Temples: Freemasonry, Ritual Architecture and Masculine Archetypes」がある。余分な装飾や建築に組み込まれたシンボルがあることも多い。

こうした由来のために、メイソンの建物が魅力的な投資になっているとも言える。開発業者のチップ・クルゴ氏はニューヨーク州バースのメイソンの建物を2011年に購入した。マンション4部屋に建物を改築するための210万ドル規模のプロジェクトのコストの一部に、110万ドルの州補助金を充てた。クルゴ氏はこうしたマンションは昨年、月額1000ドルから1100ドルという賃貸料にもかかわらず、市場に出るとすぐに賃貸契約がまとまったと話す。

ミシェル・アルバレスさん(45)を引き付けたのは巨大なオープンスペースと木造部分だった。彼女は1寝室のマンションを夫とともに賃貸している。しかし、もっと重要だったのはこの建物の歴史だった。アルバレスさんは自分の父親がフリーメイソンのメンバーだったと話す。彼女は羅針盤のシンボルや正面に刻まれた四角形にすぐに気付いた。「初めて中に足を踏み入れた時、よく知っていて心地いい感じだった」と話す。「(フリーメイソンが)活発だったころの時代に引き戻してくれるようだ」と続けた。


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