消費増税「家計支出削る」56%…読売世論調査
2013年9月16日17時54分
読売新聞社が13〜15日に実施した全国世論調査で、来年4月から消費税率が8%に引き上げられた場合、家計の支出を今よりも「減らそうと思う」と答えた人は56%で、「そうは思わない」の40%を上回った。
消費税率引き上げに伴い、生活必需品などの税率を低くする軽減税率の導入を求める人は74%に上った。首相は消費税率を来年4月から予定通り8%に引き上げる意向を固め、景気の腰折れを防ぐため、5兆円規模の経済対策を実施する考えだ。
政府が検討している経済対策で最も重要だと思うものを聞いたところ、「固定資産税の減税」が26%で最も多く、「低所得者への現金の給付」22%、「公共事業の拡大」13%、「企業の設備投資への減税」12%などが続いた。
消費税 来春8% かすむ社会保障目的
2013年9月13日 朝刊
安倍晋三首相は十二日、二○一四年四月から予定通り消費税率を5%から8%に引き上げる方針を決めた。増税に伴う景気の落ち込みを避けるため、消費税2%分に相当する五兆円規模の経済対策を併せて実施する。
増収分は社会保障費に充てるという増税の目的が事実上、変質する。経済対策も公共事業が中心になるとみられ、国民から幅広く集める消費税の還元先が特定業者に偏る「還元格差」が生じることも考えられる。
消費税増税法は、少子高齢化に伴って予算額が膨張し続ける年金や医療、介護などの社会保障制度を維持・安定させる目的で制定された。成立当時の野田佳彦首相、現在の安倍晋三首相も「増収分は全額、社会保障費に充てる」と明言してきた。来年四月の消費税率の引き上げでも、政府は八兆円程度の税収増を全額、社会保障に充てると説明するが、経済対策が実施されれば、増税で生じた財源のゆとりで賄うことになる。
本来なら、そのゆとりは財政赤字を減らしたり、社会保障に使うべきで、社会保障制度を維持・安定させるという増税の目的とは矛盾する。
しかも、経済対策は四月の増税に伴う景気の落ち込みを避けるため「即効性が必要で、従来型の公共事業中心にならざるを得ない」(官邸筋)といわれる。
消費税は国民が一律に負担するのに、それに伴う「痛み」を軽減する経済対策が公共事業中心になれば、建設業界ばかりが大きな恩恵を受ける。消費税増税法は増税分を全額、社会保障の財源にすると定めているのに、なぜ、こんなことができるのか。同じ増税法に抜け道が隠されている。
付則に「成長戦略や防災および減災に資する分野に資金を配分する」と明記され、公共事業などへの「流用」の根拠となる。増税法が成立した際、自民、公明、民主三党以外の中小野党が「消費税増税は公共事業の打ち出の小づちになる」と批判したが、これが現実となりつつある。
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