2016年12月28日
野生化した金魚を手にしたスティーブン・ビーティ博士。体長18センチになる個体も…
出典: スティーブン・ビーティ博士提供
金魚が野生化すると、どうなるの? オーストラリアのマードック大学の研究チームが、現地の川で野生化した金魚を十数年間、研究した結果、驚くべき生態が明らかになりました。野生化した金魚は巨大化、驚異的な繁殖力を見せたというのです。一体何が起きたのか? 研究チームのリーダーのスティーブン・ビーティ博士に話を聞きました。
▼観賞用の金魚
運動能力の高さ証明
研究の舞台になったバス川は、オーストラリア西南部にあります。20年前から農業排水や住宅地からの栄養豊富な下水が川に流れ込み、水質が著しく低下しました。そして、誰かが何匹かの金魚を川に捨てた結果、金魚がバス川にあふれるようになったのです。
金魚の生態を調べた結果、わかったのがその成長の早さです。1年間で18センチになり、世界でも最も高い成長率を記録しました。
その繁殖力の強さも明らかになりました。現在までに1500匹、1キロ以上の金魚が駆除されていますが、金魚の数は減ったどころか、むしろ増え続いています。
ビーティ博士は「これまで金魚はあまり泳がない怠け者という認識さえありました。ところが、金魚は川だけでなく、湿地や睡蓮の生息地にも活動範囲を広げていることが確認できたのです。金魚は決して怠け者ではなく、カープ(鯉)と同じ運動力を持っていることも分かりました」と話します。
▼同じ研究チームのデービッド・モルガン(David Morgan)さん
音楽聞き分け、頭もいい
ビーティ博士は「金魚は、かしこい魚です。異なる楽曲を聞き分ける能力も持っています」と明かします。
2013年の慶応大の研究では、金魚にバッハの「トッカータとフーガ ニ短調」とストラヴィンスキーの「春の祭典」を水中のスピーカーから聞かせました。一方の音楽が流れた場合、ビーズのついた紐をひけば餌が得られるようにしたところ、金魚は音楽を聞き分けて紐を引くことを覚えました。
生態系乱す原因に
もともと、金魚は鯉科のフナを原種に飼育観賞用に品種改良された魚です。本来は自然界にいないはずの金魚が川で野生化すると、様々な変化が起きます。
外見は茶色に変わります。水槽ではない自然の川の水の色になじむ、フナのような色になります。そして身長が伸び、体重も増えます。
気になるのは、生態系への影響です。金魚は湖や川の底を泳ぐので、水生植物の根を抜いてしまいます。さらに水底をかき回して、栄養素を散乱させ、藻類の異常繁殖を促します。未知の伝染病をほかの魚にうつすこともあります。
ビーティ博士は「野生化した金魚は世界でも最も厄介な繁殖型水生生物の一つ」と話します。
「絶対、放流しないで」
日本では、お祭りの「金魚すくい」があり、金魚は昔から親しまれてきました。家で飼育している人も少なくありません。
金魚好きな日本人に対してビーティ博士は「普段から魚を飼育することは、自然をよりよく理解するには非常に大事なこと」と言います。
その上で、次の2点を注意点としてあげます。
(1)水槽に魚を入れすぎないように。そして水質をよく確認してください。
(2)自然の川や海、人工の湖に絶対、放流しないでください。ちょっとした行為が、世界レベルの環境を乱す恐れがあります。
巨大金魚を見続けてきたビーティ博士ならではのアドバイスでした。
▼金魚の養殖池
▼人工飼育されている金魚
参照元 : withnews
金魚はどこまで大きくなる? 巨大な金魚いろいろ
アメリカ、カナダ、オーストラリアなどで野生化した金魚が大問題になっているそうです。
飼育下での巨大金魚は37cm
香港で飼育されているオランダシシガシラ、「ブルース」という名前の金魚
世界記録は約47cm(画像無し)
The world's longest goldfish (Carassius auratus) is owned by Joris Gijsbers and measured 47.4 cm (18.7 in) from snout to tail-fin end on 24 March 2003 in Hapert, The Netherlands.
出典:Longest goldfish | Guinness World Records
ギネスブックでは2003年の47.4cmが最大
2010年にはイギリスで40cmの金魚
草津で釣られた48cmの”金魚”は河内緋鮒、金魚とヘラブナの交配種
2013年2月14日、琵琶湖
滋賀県草津市の琵琶湖岸で同市木川町の長尾哲也さん(45)が全長48センチの金魚を釣り、「こんな大きな金魚は見たことがない」と驚いている。
2月14日、同市の烏丸半島の湖岸でコイ釣りをしていたところ、仕掛けに掛かった。自宅の自作水槽に放し、飼育している。
琵琶湖博物館(草津市)によると、金魚の原種であるフナでも、湖岸近くに分布するギンブナやニゴロブナで最大体長40センチくらい、ゲンゴロウブナで50センチくらいという。
県自然環境保全課によると、金魚は自然界で生き延びるのは難しいといい、「ワキンの形をしているなら、フナの色素がない突然変異の可能性もある」としている
別の専門家によると、現在、琵琶湖に生息するフナも、ごくまれに赤く変異することがあるといい、今回の巨大金魚も、こうした突然変異したものの可能性もあるといいます。
金魚の町として知られる、熊本・長洲町の担当者は「長洲町では、ジャンボシシガシラという大きな金魚がいます。現在、30cmのものが泳いでいます。琵琶湖で48cmの金魚が釣れたということで、信じられないくらいの大きさですね」と話しました。
長尾さんは「大丈夫かな。このまま飼って。大きいところで飼った方がいいんかな」と話しています。
長尾さんは、この巨大金魚に奥さんと同じ「よしこさん」と名前をつけ、当分の間、自宅の水槽で飼うということです。
出典:FNNニュース
春樹 @Haluki_K 2013-03-14 18:27:06
・琵琶湖でとれた・体長48cm・顔が小さく肩から急に盛り上がる特徴的な体型:金魚クラスタでもマイナーな種類だけど完全に「河内緋鮒」です。最大で60cmまでいきますよ。大阪府淡水魚試験場で金魚とヘラ鮒を掛け合わせて固定化され、関西を中心に放流されました。
出典:琵琶湖で体長48cmの巨大金魚!その名も「よしこさん」! - Togetterまとめ
大阪府淡水魚試験場が和金と河内鮒を交配して作出した品種。体型は河内鮒(ゲンゴロウブナを馴化したもの、ヘラブナ)と同じで、体色に関しては緋鮒と同じである。丈夫で大型。同試験場によって淀川水系に放流されたので、現在も若干ながら目にすることができる。またヘラ釣堀などで魚群の目印として使われている場合もある。(TK)
出典:金魚用語辞典/か行/河内緋鮒 - 金魚データベース
アメリカのタホ湖では巨大金魚が駆除されている
2013年の記事
透明な湖を汚してしまうそうです
見つかった金魚は、大きいもので重さ約1.8キロ、体長は45センチにもなる。タホ環境リサーチセンターの広報担当は、「金魚が在来種と生存競争していることが、問題の大きな部分を占めている」と語った。
出典:世界屈指の透明さ誇る米タホ湖、巨大金魚で「汚染」| Reuters
タホ湖は世界で10番目に深く、透明度も約20メートルと世界有数。ただ、米地質調査所によれば、1960年代に初めて計測されたときの透明度は30メートルだった。
カナダのアルバータ州でも野生化巨大金魚が問題に放流はやめてと呼びかけられています。
25cm超えのものがたくさんいるそうです。
トイレに金魚を流さないで−。カナダ西部アルバータ州で生態系を保護するため、州政府が住民を対象にこんなキャンペーンを始める。地元メディアなどが伝えた。
貯水池に流れ着いて繁殖、巨大化するケースも出て問題化。「生き物を解放する儀式」として魚などを放流している宗教団体などにも注意を呼び掛けるという。
出典:【海外こぼれ話】トイレに金魚流さないで 「巨大化」危険 - 産経ニュース First evidence of spawning migration by goldfish (Carassius auratus)
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オーストラリア南西部では深刻な脅威となっている野生化金魚。
その論文 オーストラリアの川で金魚が体重2kgに育っていた!
参照元 : naverまとめ
他にも巨大金魚の画像
▼フランスで釣り上げられた巨大金魚
▼アメリカのカリフォルニアとネバダの境にあるタホ湖で、ありえないくらい巨大化した金魚が繁殖。
▼飼えなくなった飼い主が湖・河川に放流し、巨大化してしまった金魚。